研究課題/領域番号 |
17K01371
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
矢那瀬 紀子 東京医科大学, 医学部, 講師 (10210303)
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研究分担者 |
秦 喜久美 東京医科大学, 医学部, 講師 (30287156)
豊田 博子 東京医科大学, 医学部, 助手 (80468660)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / がんワクチン |
研究実績の概要 |
ヒト化マウスはIshikawa らの方法(PNAS, 107:13022 2010)に従って作成を試みた。レシピエントマウスは、重度複合免疫不全マウスNOD-Prkdcscid-IL2Rγnull (NSG)に、ヒト白血球型抗原の HLA-A*0201 を導入したマウスを用いた。 ヒト幹細胞の調製:ヒト臍帯血からヒト造血幹細胞を、Anti-ヒトCD34結合磁気ビーズにてCD34陽性細胞として磁気ソートした。得られたCD34陽性細胞数は1-10 X10^5であり、フローサイトメーター解析で、ヒト臍帯血ではCD34陽性細胞は0.1-0.2%であったのに対して、磁気ソートにより得られたヒト造血幹細胞では89-95%のCD34陽性細胞であった。 ヒト幹細胞の移入:磁気ソートにより調製したヒト造血幹細胞は、NSGマウスの生後24~48時間の新生仔マウスの顔面静脈に注射(2×104~2×105)した。ヒト幹細胞の生着は、移植4~16週後にマウスの末梢血中のヒトリンパ球(Anti-CD45)、T細胞(Anti-CD3)、Β細胞(Anti-CD19)、それぞれの抗体を用いて、フローサイトメトリー解析により確認した。ヒト造血幹細胞移入した新生仔マウスのうち52%で生着が期待された。解析したマウス群では移入後4週間でヒトリンパ球(Anti-CD45)が出現し、7週間後には平均60%で11週間後には平均79%でCD45陽性であった。7週間後ではCD19陽性細胞は平均33%で、CD3陽性細胞は平均3%でありヒトΒ細胞がヒトT細胞よりも優位であった。しかし11週間後の解析ではCD3陽性細胞11%、さらに16週間後では25%とヒトT細胞が着実に生着増加していた。ヒトT細胞の中でもCTL活性に重要なCD8陽性細胞もCD3陽性細胞中平均30%出現していた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ヒト化マウスでヒトT細胞の中でもCTL活性に重要なCD8陽性細胞もCD3陽性細胞中平均30%出現したことから、今後がんワクチンの機能解析が可能になった。
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今後の研究の推進方策 |
今後はこれらのヒト化マウスを使ってミセル型ナノ粒子によるがんワクチンの効果をin vivoにて検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
今後のin vivo実験で相当の実験費使用が見込まれるから
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