研究課題/領域番号 |
17K01374
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研究機関 | 東京電機大学 |
研究代表者 |
矢口 俊之 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (70385483)
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研究分担者 |
大越 康晴 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (10408643)
本間 章彦 東京電機大学, 理工学部, 教授 (20287428)
荒船 龍彦 東京電機大学, 理工学部, 准教授 (50376597)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 毛細血管 / Scaffold |
研究実績の概要 |
再生医療とその周辺技術は急速に発展しつつあり,社会的にも実用化の期待が高まっている.細胞組織の構築技術は,細胞の3Dプリントや,細胞シートの積層技術等,数多くの研究が進められている.臓器のように大きく厚みのある組織の再生には多くの技術的課題があるが,高密度な毛細血管網を構築する方法が確立されていないことも解決すべき問題の一つである.本研究では,新規な毛細血管構築法の確立を目指す.我々は水溶性にも関わらず“水と油”のように分離する水溶性二層培養液(Aqueous Two Phase System, ATPS)を用い,細胞の培養とパターニングに関する報告をしてきた.この二層に分かれる培養液を用い,さらに細胞の足場となるScaffoldを用い,内皮細胞の液層界面培養により毛細血管構築を目指す.本手法により毛細血管網の新たな構築技術が開発されれば,臓器再生にも大きな進展をもたらすと考える. 計画初年度では,Scaffold構築システムを用いた高分子製Scaffoldの微細構造設計と試作を行い,また,Scaffoldを組み込んだ灌流培養チャンバーの設計および試作を行った.そして,ATPS培養液の基本特性評価として,分子量,濃度,混合比等を調整した際の接触角の変化等について検討した.また,灌流システムについてはポンプシステムの選定とその制御に関する基礎検討を行った.平成30年度にはこれらの基礎検討結果をさらに発展させ,流体力学的見地からの検討を加えた上でシステムとして統合し,その完成度を高める.また,実際の細胞を用いた基礎検討を開始し,システム全体の改良を進める.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初の計画に比べ,各検討事項における進度が3割から6割程度にとどまった.1年間での要検討課題の設定がやや多かったこともあり,並行して進捗させることが困難であった.また計画初年度であり,機材や材料の準備に手間取ってしまったことなどが原因である.
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今後の研究の推進方策 |
基本的な計画に変更は無く,初年度に計画していた基礎検討の遅れを取り戻しつつ,実際に細胞を用いた評価・検討を行ってゆく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
他の研究費を優先して使用したこと,研究の進捗度が当初計画より低かったことにより次年度使用額が生じた.平成30年度以降,研究の進捗に合わせて当初計画に基づき使用する予定である.
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