本研究では、ガン転移の詳細なメカニズム解明のため、すなわちガン細胞が血管組織に接着、浸潤する様子を直接観察可能な血管等の3次元培養モデルを用いてガン細胞の挙動を観察した。本研究の結果、明確に浸潤挙動が確認出来た。流れ負荷条件下では、動脈系の流速ではガン細胞の血管内皮への接着は非常に難しく、静脈系、あるいは微小循環系で想定されるせん断応力、流速でガン細胞の内皮細胞への接着、浸潤が生じやすい、と考えられる結果であった。骨組織を模擬した3次元共培養系では、石灰化が生じた実験条件下でのみ、ガン細胞の浸潤が確認された。 本研究により、ガンの転移を直接、観察する実験系の構築に成功した。
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