研究分担者 |
平田 岳史 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 教授 (10251612)
河田 亮 神奈川歯科大学, 大学院歯学研究科, 講師 (30329198)
川股 亮太 神奈川歯科大学, 歯学部, 特任教授 (40329199)
成瀬 康治 北里大学, 北里大学メディカルセンター, 講師 (60276087) [辞退]
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研究実績の概要 |
ICP-MS(誘導型結合プラズマ質量分析法)は高感度で定量性が高く, 多元素の安定同位体間の主に質量数の違いによって生じる反応効率の差から安定同位体メタロミクスを解析でき, 元素代謝指標としての活用が開発されている。本研究では44Ca/42Caを標的として, 磁場型の質量分離と多重検出器(信号の揺らぎがキャンセルされ, 同位体比測定の精度が向上する)により, 身体不活動がもたらす骨溶解の早期の検出を試みている。骨は血液よりも軽い同位体が豊富で尿は血液よりも重い同位体が豊富という特徴があるため, 生体産物の同位体比を元にカルシウム代謝状態の評価を行うことが可能な所以である。しかしながら, 高感度ゆえの問題点として, 夾雑イオンによる「スペクトル干渉」が存在し, Ca 同位体の場合は84 Sr2+ 86 Sr2+ と 88Sr2+ による干渉を受ける。そこで, 精度の高い測定のため, 既知濃度の微量の Sr2+ ionsを予め加えてそれに基づいて解析を行うことにより, 血中及び尿中の測定値と骨の測定値および骨密度とを比較した。その結果, CSr/CCa が 0.03という, 既存の方法を用いた場合の混在限度の6倍の濃度でも測定が可能で, 1) CSr/CCa が 0.005-0.013において, Ca 安定同位体比が安定的に測定でき; 2)糖尿病モデルラット の血清および尿(傾向)で44Ca/42Caが野生型より低く, 3)同位体比の偏差と大腿骨海綿骨の 骨密度において相関 (尿では傾向) がみられ, 4)身体不活動によって骨体積, 骨塩量が減少するずっと以前に, カルシウム同位体比の変動から骨の溶解が検出できた。以上から、我々の行った補正法によりこれまで不可能だった精細な安定同位体比の計測方法が確立された。(Analytical Sciences in press).
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