血管内皮細胞が静置あるいは流れせん断応力(2 Pa)が作用した状態で浸透圧負荷に対して示す応答を,細胞の体積,F-アクチン/ストレスファイバー構造,力学的特性の観点から調べた。高張環境は血管内皮細胞の内部構造に大きな影響を与えなかった。低張環境は細胞を膨張させ,ストレスファイバーを減少させるとともに細胞の弾性率を低下させるが,流れせん断応力は弾性率低下の程度を軽減する傾向がみられた。細胞数密度が低い場合には低張環境が細胞の構造と力学的特性に及ぼす影響が大きいことが示唆された。今後,浸透圧負荷が細胞機能に及ぼす影響も調べていく必要がある。
|