研究課題/領域番号 |
17K01382
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研究機関 | 久留米大学 |
研究代表者 |
増田 宏 久留米大学, 医学部, 助教 (10321861)
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研究分担者 |
平田 晃正 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (00335374)
森松 嘉孝 久留米大学, 医学部, 准教授 (40320163)
永井 亜希子 愛知学院大学, 歯学部, 准教授 (40360599)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 微小循環 / 血管形成 |
研究実績の概要 |
昨年度までの研究では、本研究を実施する上で最も重要となるin vivoイメージング法をおおむね構築した。当方が有する一般的な蛍光顕微鏡で血管形成を観察する場合、解像度や深度等に制限があり、定性評価はもとより、定量評価も難しかったため、2種類のモジュールを新たに導入しこの問題を克服することに成功した。そのひとつは、共焦点モジュールであり、これにより血管形成過程の追跡に不可欠な3次元解析が可能となった。そしてもうひとつが連続光顕観察モジュールであり、細胞レベルの挙動までオールカラーで直視的に観察可能となった。 これらの進捗を踏まえ、本年度は微小血管形成の経時的/経日的観察方法の開発に取り組んだ。 まず、骨形成時の微小血管形成をターゲットに選び、これを惹起させる方法について検討した。以前より骨形成を観察する場合は大腿骨または頭蓋骨をくり抜く方法が用いられてきたが、施術後の経時的/経日的観察を考えるとアクセスが容易な頭蓋骨をターゲットとする後者の方が有用であり、最近のin vivo研究でもこちらが主流となっている。そこで我々もこの方法を採用した。そして本方法に対して、くり抜く穴のサイズや深さなどについて検討した。これはこれら条件によっては骨形成が成立しない場合があるためである。検討の結果、良好な骨形成像およびその過程における微小血管形成を惹起させることに成功した。 次に、上記方法で惹起された微小血管形成をin vivoイメージング法を用いて観察できるよう観察系に改良を加えた。光源や固定方法等、種々の問題が生じたため、最適の組み合わせとなるように検討を重ね、ある程度の観察像が得られるようにまでなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
H30年度において、弊学の動物実験センターが移設されたことに伴い、長期間にわたり動物実験ができなくなるという事態が発生した。本研究の中で構築したin vivoイメージングシステムについても、旧施設における解体作業、移設作業、消毒・滅菌作業、そして再構築および試運転作業が必要となり、研究推進に大きな支障(時間的制約)をきたした。このため当初の実施予定よりも遅延が生じる結果となった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる本年度は、昨年度の遅延を取り戻すべく観察方法をさらにブラッシュアップし、安定した実験結果が得られるようにしたいと考えている。また、変化を検出する評価基準等について検討を行い、最終的には電磁界負荷の影響評価まで実施したいと考えている。
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次年度使用額が生じた理由 |
H30年度において、弊学の動物実験センターが移設されたことに伴い、長期間にわたり動物実験ができない状況が続いたため。遅延した研究を含めて次年度計画を進めることにより、予算を計画的に使う予定である。
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