研究課題/領域番号 |
17K01384
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山川 考一 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 関西光科学研究所 量子生命科学研究部, グループリーダー(定常) (40360408)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 非侵襲計測 / 糖尿病 / 赤外レーザー / 血糖 |
研究実績の概要 |
手のひらサイズの2波長中赤外レーザーを用いて、人種、性別、年齢等に関係なく様々な状態の被験者に対して、キャリブレーションを必要としない(完全採血フリーの)非侵襲血糖値センサーを実現し、糖尿病患者数の増加を抑制するとともに、医療費削減を目指すため、平成29年度は2波長中赤外レーザー照射用の生体照射モジュールの設計、製作を行った。 生体照射モジュールはステンレス鋼で構成される金属ブロックに入射及び反射用の導波路を形成し、そして生体照射部には中赤外光に対して透明なウィンドウを設けている。ウィンドウ表面での不要な反射光を抑制するため、ウィンドウ表面には中赤外レーザーの波長に対する反射防止膜が施されている。 入射用導波路からの中赤外レーザーは、このウィンドウを通過した後、指先に入射され、そして皮膚を通過した拡散反射光は、再びウィンドウを通して、導光部に形成された出射側導波路を経て、光検出器で検出される。入射用導波路は開口を大きくとり、次第に溝断面を小さくするテーパー状の構造とすることにより、中赤外レーザーのカップリング効率を高めている。 入射側の金属ブロック前には、半透鏡で構成されたビームスプリッタが設けられ、レーザー光の一部がモニター用として分岐される。分岐されたレーザー光の一部はモニター用光検出器で検出されるため、レーザー光自身の強度に変動があった場合でも、この変動をモニター用光検出器の出力から認識することができる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究開発課題の重要なアイテムである生体照射モジュールの設計、製作を予定通り今年度に完了しており、当初の研究計画通り進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
計測部分についてはコア部品である生体照射モジュールの準備が終わっており、平成30年度に光源部分の完成を目指してシステム化を進める予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
効率的な執行に努めた結果、若干の未使用額が生じた。平成30年度の交付金と合わせて、光学部品の購入に利用する。
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