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2018 年度 実施状況報告書

脳内リンパ系新規バイオマーカーの確立とパーキンソン病生体リズム治療への応用

研究課題

研究課題/領域番号 17K01387
研究機関独立行政法人国立病院機構 刀根山病院(臨床研究部)

研究代表者

遠藤 卓行  独立行政法人国立病院機構 刀根山病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構刀根山病院, 研究員(移行) (40573225)

研究分担者 佐古田 三郎  独立行政法人国立病院機構 刀根山病院(臨床研究部), 独立行政法人国立病院機構刀根山病院, 名誉院長 (00178625)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード生体制御治療
研究実績の概要

脳にはリンパ系は存在しないと思われていたが、最近脳内の小分子老廃物を排出するGlymphatic Systemが発見され、パーキンソン病やアルツハイマー病の不溶性蛋白排出経路として注目されている。Glymphatic Systemは睡眠中に活性化することから、我々が確立してきたパーキンソン病に対する高照度光療法はGlymphatic System活性化を介している可能性が想定される。
(1)パーキンソン病患者と疾患コントロール対照高齢者における日内リズム関連遺伝子の位相の検討比較:睡眠リズム異常があるパーキンソン病患者12名に対してまず問診票による睡眠評価(JESS、PDSS-2)を実施した。被験者は起床・食事・就寝時刻などを一週間以上一定に保った上で、毛根を5本程度採取した。山口大学時間学研究所の協力を得て、毛根に付着した細胞から、時計遺伝子の発現量(Period3、Nr1d2)を測定した。これらのデータより、コサインカーブフィッティングを行うことで概日時計位相を決定した。以後、12週間以上BLTを継続した時点で、再度睡眠評価および毛根採取を行った。その結果、12週間の光照射ではJESS、PDSS-2などの睡眠スコアの改善とPer3遺伝子発現ピーク時刻の後退に明らかな相関傾向がみられた。その一方で、疾患コントロール対象高齢者10名に対して同様の毛根採取による時計遺伝子発現量(Period3、Nr1d2)の測定を実施すると、ピーク時間はパーキンソン病患者と同様であり、睡眠リズム異常の有無と時計遺伝子位相との相関はみられなかった。
(2)Glymphatic Systemの新規バイマーカーの探索:候補タンパク質であるαシヌクレイン、βアミロイド、S-100B、NSEのELISAキットによる測定体制を整備し、光療法実施パーキンソン病患者の血清保存を開始した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

光療法前後による日内リズム変動評価のための予備実験を行なうなど一定の成果を得ており、関連する論文発表も行なった。一方、新規バイオマーカーの候補タンパク質の測定は、一定数の患者検体が集まった段階での実施になるため、現在は検体採取数を増やしている段階である。

今後の研究の推進方策

脳内の神経変性に関するタンパク質を中心にパーキンソン病患者での測定をすすめる。十分な検体が集まらなかった場合に備えて、すでに光療法を実施した患者の生化学検査データを集計し、一般的な生化学物質から同様のバイオマーカーを検出できないか追加の解析をすすめる。

次年度使用額が生じた理由

Glymphatic Systemのバイオマーカーとなる候補タンパク質の測定に使用するキットは一定数の検体が集まった段階での解析となるため、次年度使用額が生じた。また、海外連携研究者を招聘し、研究協力いただく費用が必要であり、当該年度に使用する分を次年度に使用することとした。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2018

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件、 オープンアクセス 1件)

  • [雑誌論文] Normal peripheral circadian phase in the old-old with abnormal circadian behavior2018

    • 著者名/発表者名
      Yamaguchi Ai、Tatsumoto Muneto、Matsumura Ritsuko、Endo Takuyuki、Hirata Koichi、Tokuda Isao、Akashi Makoto
    • 雑誌名

      Genes to Cells

      巻: 23 ページ: 849~859

    • DOI

      10.1111/gtc.12633

    • 査読あり / オープンアクセス

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公開日: 2019-12-27  

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