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2017 年度 実施状況報告書

抗原の機能分離設計と免疫応答・寛容制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K01393
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

白石 貢一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPEG / 免疫応答
研究実績の概要

本年度、新たにPEG末端を開始剤とする高分子合成によりトリブロック共重合体を合成した。免疫応答と高分子構造の物理的距離との関係をはかるために、トリブロック共重合体の中間ブロックの鎖長を3段階に変化させた。また、高分子ミセル作製するために高分子ミセル形成に最適な疎水部の鎖長を最適化した。得られたトリブロック共重合体を加水分解し、中間ブロックに親水性ポリアニオン鎖を導入した。得られた高分子は光散乱法により、水溶液中で大きさ40-120ナノメートルサイズを示す高分子ミセルであることが明らかとなった。高分子ミセルは疎水性コアに対して新たな親水性ポリアニオン界面が導入された高分子ミセルとなった。作製した高分子ミセルと抗体との結合は中間ブロックの鎖長によって変化した。即ち、トリブロック共重合体を固相化し、疎水性部を一律にした状態においては、ポリアニオン中間層が十分に長い状態では抗体との結合が抑制されることが確認された。一方、水溶液中においての結合挙動に中間層における差が得られなかった。中間ブロックの鎖長を3段階に変化させた高分子ミセルを用いた免疫実験において、トリブロック共重合体の中間ブロック鎖長と免疫応答に相関が得られた。ポリアニオン中間層が十分に長いトリブロック共重合体から得られた高分子ミセルは、ポリアニオン層がない、または短い場合と比べて、その抗原性が低減されていた。この結果は、本研究概念によって免疫応答が抑制されることを示唆している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定よりも、高分子合成、高分子ミセル作製が進み、その結果、基本的な動物実験まで達成することができた。

今後の研究の推進方策

現在までに得られた結果を詳細に検討し、現在の研究を発展させていく。特に、詳細な結合解析、及び必要最小限の動物実験により得られた結果を踏まえて、解釈を発展させ、抗原性の一般化を図る。

次年度使用額が生じた理由

動物実験が予定よりも少なかったため。次年度分に継続して行う予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018 2017

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] PEGの免疫原性2018

    • 著者名/発表者名
      白石貢一
    • 学会等名
      第68回医用高分子研究会
  • [学会発表] PEGに対する抗体産生と抑制に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      白石貢一
    • 学会等名
      日本バイオマテリアル学会

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公開日: 2018-12-17  

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