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2019 年度 実績報告書

抗原の機能分離設計と免疫応答・寛容制御

研究課題

研究課題/領域番号 17K01393
研究機関東京慈恵会医科大学

研究代表者

白石 貢一  東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (40426284)

研究分担者 横山 昌幸  東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20220577)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードPEG / 免疫原性 / 高分子ブロックコポリマー / 抗体産生抑制
研究実績の概要

1)特異抗体とPEGとの結合挙動解析
PEG特異抗体とは、PEGの存在によって誘導される抗体であるが、PEGそのものに特異的に結合はされないという特徴を示す。この特異抗体の結合はPEG誘導体に存在する疎水性部に依存し、親水性アニオンは結合しにくいことを見出していた。ここで、特異抗体との結合を誘起する分子種を検討した。具体的に、疎水的分子環境が伴うアニオン、及びカチオンを検討した。その結果、とりわけ疎水的分子環境が伴うカチオンに強く結合が促され、アニオンであっても、疎水的分子環境が伴う場合には結合が促されることが明らかとなった。
2)免疫アジュバントによる免疫寛容
昨年度、PEG特異抗体産生時に免疫寛容、または免疫的麻痺(アネジー)様応答を見出した。申請者は上記1)で得られた知見に基づき、免疫原性が非常に弱い抗原と非常に強い抗原を用いて、免疫アジュバントの効果を検討した。第一に、強いIgM抗体産生を促すPEG誘導体は、免疫アジュバントの存在によって免疫寛容、または免疫的麻痺(アネジー)応答を示した。具体的には、1回の投与により、3-4週間の間、特異的応答を示さなかった。第二に、特異IgM抗体産生が低いPEG誘導体は、上述した免疫寛容、またはアネジー応答を示されなかった。第三に、強いIgM抗体産生を促すPEG誘導体と免疫アジュバントによる免疫寛容、またはアネジー応答はPEG誘導体に免疫アジュバントを内包し、同一部位で働かせることによってはじめて起きることを確認した。
以上、本研究は目的とする抗原の機能分離設計に基づき、特異性と結合性の物理的な距離を生み出す化学構造が抗体産生を抑制する新手法の確立に成功し、新たなPEG化法の可能性を引き出した。加えて、これまでの概念である免疫補助作用を担う免疫アジュバントを用いることで、免疫寛容を生み出す手法を見出した。

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公開日: 2022-12-28  

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