研究課題
本研究グループでは、マイクロ流路で微粒子のゼータ電位を測定する電気泳動法とアパーチャーを用いて粒子の大きさと数を測定するコールター法の二つを組合せたECM(Electrophoretic Coulter Method)を独自に提案しており、本研究では、その実用化の為に必要な要素技術の確立を目的としているが、最終年度にあたる本年度においては、材料面、構造面からの検討に関し、昨年度から、ECM実用化の為の新素材として有望であると着目しているイットリウム水素化物について、注力し研究を行い、金属―半導体転移のメカニズムの解明やその制御の可能性について明らかにしAu.Ti,Al.Fe等の金属薄膜が、半導体的な性質を維持するためのパッシベーション膜として有効であることを示した。更に、Pt微粒子含有の窒化アルミニウム(AlN(Pt)))に着目し、これが、室温においては数十日のオーダーで脱水素化を完全に防ぎ、半導体的イットリウム水素化物を維持する効果があり、脱水素化のためのパッシベーション膜としては金属膜より遥かに有効であること、その一方で、本研究グループが2年前に見出したPtの触媒作用による低温での水素化についてこの膜でも十分な効果が得られること、また、電気絶縁性も極めて良好であることを実験的に示した。これは、ゲート絶縁膜を有する半導体的イットリウム水素化物の電子デバイスが作製可能であることを示している(時間的制約によりデバイスの試作および評価にまでは至っていないが)。また上記の金属薄膜や絶縁膜とは別に、パッシベーション膜としてグラフェンにも着目した。マイクロ流路と、水素雰囲気により特性が変化するセンサーとの融合により、状態(生か死か)(正常細胞かガン細胞か)により周囲の水素雰囲気が変化する一部の細胞に対して、その状態評価を行える新機能バイオセンターが作製できることが期待される。
すべて 2020 2019
すべて 雑誌論文 (4件) (うち国際共著 1件、 査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (6件) (うち国際学会 2件)
POLYMERS
巻: 12 ページ: Article No. 451
10.3390/polym12020451
Appl. Nano Material
巻: 3 ページ: 2491-2505
10.1021/acsanm.9b02586
APPLIED PHYSICS LETTERS
巻: 116 ページ: No. 102401
10.1063/1.5144841
Applied Physics Letters
巻: 114 ページ: No. 193901
10.1063/1.5096579