新鮮凍結屍体肩を用いて本実験を行った。予備的研究の結果から推察された通りに、腱板断裂モデルを作成することにより、肩峰下接触圧は増加し(肩峰下インピンジメントをシミュレート)、肩甲上腕関節の上方動揺性(骨頭の上方化をシミュレート)も増加した。このため今回作成した腱板断裂モデルは臨床に近い状態(腱板断裂により上腕骨頭が上方化し、肩峰下に衝突する)と考える。さらには腱板修復術と肩上方関節包再建術を行うことで肩峰下接触圧と肩甲上腕関節の上方動揺性は減少し、ほぼ正常化した(上腕骨頭の位置が下方に下がることで正常腱板に見られる上腕骨と肩甲骨の位置関係に戻し、それにより上腕骨頭が肩峰にも衝突しなくなった)。
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