研究課題/領域番号 |
17K01423
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研究機関 | 東京医科大学 |
研究代表者 |
杉本 勝俊 東京医科大学, 医学部, 准教授 (20385032)
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研究分担者 |
大城 久 自治医科大学, 医学部, 准教授 (60381513)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 超音波 / エラストグラフィ / 粘性 / 肝臓 / NASH |
研究実績の概要 |
2018年度は実験動物を用い、急性肝障害モデル、肝線維化モデルを作製し、超音波エラストグラフィの画像パラメータ:SW speed, Dispersin slopeと病理所見との比較を行った。結果、Dispersion slopeは肝臓の炎症の程度と有意に関連し、SW speedは肝線維化の程度と有意に関連していることを見出した。この知見をもとに、本手法がヒトにおける病理所見の推定にも有用であるかを検討した。肝線維化の肝生検にて診断された非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)患者を対象に、超音波エラストグラフィの画像パラメータ:SW speed, Dispersion slope, Attenuation valueと病理学的パラメータ:Steatosis grade, Lobular Inflammation grade, Fibrosis stageとの比較を行った。結果、SW speedはFibrosis stage、Dispersion slopeはLobular Inflammation grade、Steatosis gradeはAttenuation valueが有意に相関していることを見出した。しかしまだ症例数が少ないため(n=24)、今後は100症例を目標に症例を集積していく予定である。最終的には、これらの超音波パラメータを用い、NASH診断を目的としたコンピュータ支援診断システムのアルゴリズムを構築していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
現在の解析対象症例数は70例であり、順調に症例数は増加している。
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今後の研究の推進方策 |
今後解析対象症例を100例まで増やして、最終的な解析を行う予定である。超音波エラストグラフィの画僧パラメータ:SW speed, Dispersion slope, Attenuation valueと病理学的パラメータ:Steatosis grade, Lobular Inflammation grade, Fibrosis stageとの関連を解析し、最終的には非侵襲的にNASHを高い精度で診断できることを目標とする。
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次年度使用額が生じた理由 |
当該年度は、超音波画像解析を目的とした超音波診断装置用ワークステーションを購入したが、その費用を当初の予定より抑えられたため未使用額が生じた。当該年度には195,055円の未使用額が生じているが、次年度では、残りの研究に必要な消耗品、論文の英文校閲代、および論文別刷り代として使用する予定である。
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