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2018 年度 実施状況報告書

眼底画像の経時サブトラクション処理による網膜症のコンピュータ支援画像診断システム

研究課題

研究課題/領域番号 17K01426
研究機関神奈川工科大学

研究代表者

武尾 英哉  神奈川工科大学, 工学部, 教授 (90434414)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード網膜症 / 眼底画像 / 差分画像 / 黄斑部 / 点状出血
研究実績の概要

患者の初診時および経過観察時の2つの眼底画像を比較することで,網膜症の病状の程度を定量的に表現する手法の開発を行ってきた.昨年度までは,2つの画像の高精度な位置合わせを行ったのち,位置合わせされた2つの画像の差分画像を作成し,差分画像の差分値の二乗の総和を計算することで病状の変化を表す定量値(網膜症の進行度を表す値)を算出した.今年度はさらに,臨床評価予定先の眼科医の意見を参考に,黄斑部周辺に生じた点状出血(単純点状出血,斑状出血,軟性白斑)の個数の変化に注目した.そこで,前記の差分値に基づく定量値に点状出血の個数の変化を重み付けすることで,実際の患者さんの視力との関係が高まることがシミュレーションにより確認できた.
本処理を搭載した眼底画像診断支援システムの臨床評価機 Vaersion 1.0 を開発し,神奈川県伊勢原市にある高橋眼科クリニックに持ち込み,第一期臨床評価を2018年7月~10月の4ヶ月間実施した.糖尿病網膜症と診断された任意の患者さんの数名(約10名)を通常のルーチン診断とは別に本臨床評価機へ転送し,業務終了後,本機で処理を行い,差分画像と算出された定量値を実際の患者さんの病状や視力と比較した.抽出された患者さんはいずれも2~4週間間隔で来院され,4ヶ月間で平7回の経過観察の比較ができた.本機が出力した定量値と医師が診断した所見との関係は概ね良好との評価をいただいた.しかし,ユーザーインターフェイスに関する幾つかの改善要望と本器が推定視力を出力するの不適切(定量値のみで良い)との意見があり,それらを改善した眼底画像診断支援システムの臨床評価機 Vaersion 2.0 を開発した.
現在,同病院で臨床評価機 Vaersion 2.0 による第二期臨床評価を2019年1月から行っている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

理由:
①昨年度および今年度前半に開発してきらアルゴリズムを搭載させた眼底画像診断支援システム Vaersion 1.0 を比較的短期間(2ヶ月間)で開発でき,病院に持ち込んで臨床評価を開始できた.
②約4ヶ月間の臨床評価により,本処理の効果を確認できるとともに,要望改善点などの意見を聞くこともできた.
③要望改善点を反映した眼底画像診断支援システム Vaersion 2.0 を1ヶ月間程度で開発し,2019年1月から第二期臨床評価を開始した.
以上から,当初の計画通りに臨床評価が進んでおり,順調に進展していると言える.

今後の研究の推進方策

現在進めている第二期臨床評価は,2019年4月までの4ヶ月間を予定している.期間終了後に,医師の意見を聞いて問題点を把握するとともに,第一期と第二期の延べ8ヶ月間に収集した眼底画像を検証し,より精度の高いアルゴリズムの改良を進める.
システムの改善とアルゴリズムの改良を反映した眼底画像診断支援システム Vaersion 3.0 を開発し,最終(第三期)臨床評価を2019年10月頃~開始し,本研究および本システムの臨床的な効果を確認し,まとめる.

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公開日: 2019-12-27  

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