患者の初診時および経過観察時の2つの眼底画像を比較することで網膜症の病状の程度を定量的に表現する手法の開発を行った.2つの画像の高精度な位置合わせを行ったのち位置合わせされた2つの画像の差分画像を作成し,差分画像の差分値の二乗の総和を計算することで病状の変化を表す定量値を算出した.さらに,黄斑部周辺に生じた点状出血の個数の変化に注目して,前記の差分値に基づく定量値に点状出血の個数の変化を重み付けした. 本処理を搭載した眼底画像診断支援システムを開発し,延べ1年間にわたって臨床評価を実施した.糖尿病網膜症と診断された患者さんの数十名を本機で処理を行い,実際の所見と関連性があるとの評価をいただけた.
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