研究課題/領域番号 |
17K01441
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研究機関 | 藤田医科大学 |
研究代表者 |
金平 蓮 藤田医科大学, 保健学研究科, 教授 (80262947)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育訓練システム / 医療機器の操作 / 情報提示と訓練 / 動作測定と解析 / マルチメディアと教育 |
研究実績の概要 |
本研究では情報科学と工学技術を融合し、医療機器の実装置を準備することなく、低コストで、作業を模擬体験、繰返し練習することができるコンピュータ教育訓練支援システムの開発を目的としている。 臨床工学技士は医療機器の管理と操作がメインな業務であり、技術の修得は実践的な要素が多く、繰返し練習によって技術を身につけることが最も重要である。そこで、本研究では臨床工学専攻の学部教育において、医療機器の操作法習得における問題点を明らかにすると同時に、研究課題を絞り込み、問題解決法の検討と提案およびコンピュータ教育訓練支援システムの構築を行っている。 今年度の本研究において、幾つの代表的な医療機器の操作教示に対して、問題を抽出し、問題解決するためのシステムの提案と構成を行った。構成されたシステムにおいて、安全かつ確実な操作を覚えさせるため、訓練支援システムとしては、機器ごとの特徴に合わせて、学習訓練用のモデル生成及びオンライン教材の作成を行った。例えば人工呼吸器のパネル操作では操作ミスをすると、トラブルが発生し、重大な医療事故が起こる可能性がある。それを解消するため、すばやく再設定をしなければならない。そのために本研究では、トラブル対処法に重点を置き、それを学習できる環境を作り上げた。そこで、トラブル発生条件を多数用意し、それぞれの状況に対して、パソコンモニタにトラブル原因となる設定値や自発呼吸の有無などを提示できるようにした。本支援システムは、知識だけでなく操作の学習効果が得られることが検証実験によって確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究では研究計画通りにまず臨床工学技士の業務に最も関わりの多い医療機器の操作法習得における問題点を確認し、システム構築において訓練内容及び危険回避項目を明確にした。 教示訓練システムの開発において、医療機器のアクシデントや操作ミスによる事故を防止するためトラブルシューティングの教示法と訓練法を提案して確立した。そこで、臨床工学教育用コンテンツや評価用テストを用いて、画像、映像、音声を取り入れたマルチ訓練環境を構成し、理解度や習熟度をチェックできる機能を装備した。 医療機器の操作例として人工呼吸器の操作、人工透析業務やプライミング操作及び透析穿刺などを取り上げた。リアルタイム正誤判断ができるシステム構築にあたって教示用教師データを取得し、定量化することによって、操作訓練の指標を決定した。そして構成された教育訓練支援システムを用いて検証実験を行い、システムの有効性を確認した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は医療機器を適正に使用して患者の安全を高めるために臨床現場の生体情報モニタの教育システムの構築を課題として研究展開を進めていきたい。 今後の推進方策として、インストラクショナルデザインに基づいて医療現場の看護師を対象とした学習教材作りを行う。教材を運用するオンラインシステムにはGoogle AppsのサービスであるGoogle Form、Googleスライドを用いることで、場所と時間を問わず容易に繰り返し学習できる仕組みを構築する。学習者に対してテストなどの学習結果のフィードバック機能を備えて、学習促進及び教育効果の向上についての検討を試みる。
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次年度使用額が生じた理由 |
理由: 動作測定センサ及びリアルタイム処理用ソフトウェアを購入予定だが、適応できるものがないため、次年度に購入予定。 使用計画: 動作測定センサ及びソフトウェアの購入に使用。
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