研究課題/領域番号 |
17K01444
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研究機関 | 国立医薬品食品衛生研究所 |
研究代表者 |
岡本 吉弘 国立医薬品食品衛生研究所, 医療機器部, 室長 (40776027)
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研究分担者 |
中村 匡徳 名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 教授 (20448046)
太田 信 東北大学, 流体科学研究所, 教授 (20400418)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | ステント / バルーンカテーテル / 血管モデル |
研究実績の概要 |
本年度は、フローダイバーターの入手が困難なため、デバイスから血管へかかる圧力を測定する評価系の構築を目的とし、評価装置の設計および予備的検討を実施した。デバイスとしてはバルーンカテーテルを用いることとして、直線状態の血管での圧力を評価した。評価方法としては、薄肉円筒における応力に関する式を活用した評価系を検討した。検討した結果、バルーンの内圧に対してバルーンから血管が受ける圧力には違いがあることが判明し、バルーンの規定径近辺における血管にかかる圧力は、バルーンの内圧に対して小さいことが明らかになった。現在検討している評価系は電子天秤を用いた簡易型の評価系であるため、バルーンからの荷重が大きい場合は荷重による変形が生じ、評価を実施する径に対して評価時の径が大きくなってしまう問題があることも判明した。問題への対策として、より構造が強固な万能試験機を用いた評価系とするために必要な機器の設計・製作を行なった。この評価装置を用いた実験では、今までの装置と同条件において高い圧力が測定され、より精度の高い評価ができることが確認された。 デバイスから血管へ圧力を測定する評価系としては、別途小型フィルムセンサーを血管モデルに設置した評価系を検討し、直接圧力を測定することを試みた。同じ径の硬さが異なる血管において同じバルーンカテーテルを用いた圧力測定を実施し、柔らかい血管でのバルーンから受ける圧力はバルーンの内圧より低いことを確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
デバイスの入手と装置の設計・製作に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、入手可能なデバイスと研究期間を考慮して、デバイスからの血管への負荷の評価系の構築と確認を実施する。入手が可能であるデバイスとしてバルーンカテーテルを活用し、ノンコンプライアントバルーンとコンプライアントバルーンの圧力特性を測定し、使用時のサイズや手技選択に有用な情報となる評価を実施予定である。 また、同時に小型フィルムセンサーを用いて直接圧力を評価した際の結果を比較を実施し評価系の妥当性を確認するとともに、より正確な圧力校正方法について検討する。
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次年度使用額が生じた理由 |
評価装置の設計・製作に時間がかかり試験の実施が遅れたため。次年度は、評価装置のデバイスに合わせたジグの製作およびデバイス購入資金等に使用する予定である。
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