研究実績の概要 |
1)ラットおよびマウスに逆行性神経トレーサーであるFluorogold(FG)を右足関節内に、1,1’-dioctadecyl-3,3,3’,3’-tetramethyl-indocarbocyanine perchlorate (DiI)を右ヒラメ筋膜下に注入し、7日後に蛍光顕微鏡下に足関節とヒラメ筋に分布する髄節・神経根レベルおよび血管周囲神経を確認した。 2)ラットおよびマウスにおける下肢関節・筋に発現する痛覚関連因子、すなわち、カルシトニン遺伝子関連ペプチド (calcitonin gene-related peptide, CGRP)、サブスタンスP(Sub-P)、グルタミン酸受容体、グルタミン酸トランスポーター、血管作動性腸ペプチド(vasoactive intestinal peptide, VIP)、一酸化窒素合成酵素 (NOS)、ソマトスタチン、ニューロペプチドY、インターロイキン1β (IL-1β)、腫瘍壊死因子α (TNFα)、インターフェロンγ (IFNγ)、Macrophage inflammatory p rotein-1α (MIP-1α)、Nerve growth factor(NGF)などをRT-PCR法および免疫組織学的に検討した。これらのうち、 CGRP、Sub-P、NGFの発現をラットおよびマウスの下肢関節・筋・血管周囲神経に認めた。さらに、痛覚関連因子として新たにSemaphorinファミリーに注目し、その中でもSemaphorin 3Aの発現も認めた。 3)ラットおよびマウスでの関節拘縮・筋萎縮・関節症モデルにおいてvon Frey testによる痛覚過敏の評価法を確立した。本モデルでは、損傷1週間より、痛覚過敏が誘発され、さらに3週間以降も、痛覚過敏が増強した。 4)上記モデルにおける痛覚過敏の経過と、痛覚関連因子の発現レベルとの関係を明らかにした。
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