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2017 年度 実施状況報告書

歩行律動同期型脳・末梢神経筋ハイブリッド刺激による神経可塑性誘導と歩行機能回復

研究課題

研究課題/領域番号 17K01453
研究機関北海道大学

研究代表者

小金丸 聡子  北海道大学, 大学病院, 助教 (40579059)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード歩行 / 非侵襲的脳刺激
研究実績の概要

平成29年度は歩行律動同期型脳・末梢神経筋のハイブリッド刺激を行うための刺激パラメータの設定、歩行パラメータ記録装置の準備を行った。歩行律動同期型脳刺激として、経頭蓋律動性直流電流刺激を用いることとし、電流強度について、複数のパラメータを検討した。経頭蓋律動性直流電流刺激の振動刺激周波数に引き込まれて、神経活動が刺激と同期して活動し、刺激後もその活動が増強するようにパラメータを整えた。DC offsetをプラスとした頭蓋律動性直流電流刺激を用いて、神経可塑的変化、長期増強を誘導できることを目的とした。
本研究は、歩行中に生じる脳律動を強化する律動性脳刺激と末梢神経筋刺激によるハイブリッド刺激という新たな介入法を行う予定としている。また、本研究では、歩行中に刺激を行うことにより、歩行特異的神経筋ネットワークに対し、きわめて効率的に連合性可塑性を誘導できるため、神経可塑性誘導が困難な難治性歩行障害をもつ神経疾患患者において歩行機能再建をめざすことが可能となることが予測される。今後は非侵襲的脳機能イメージングを用いて歩行機能再建に関わる脳内ネットワークを解明することにある。本研究の結果、重度歩行障害を回復させる事ができれば、車椅子での生活を余儀なくされている多くの患者にとって生活の質(QOL)、日常生活能力(ADL)の向上が期待される。また、車椅子の患者が歩行可能になれば、高齢化社会の日本において、生産人口の増加という点でも社会的意義は非常に大きい。また、ヒトにおける歩行機能再建に関わる脳内ネットワークを解明する事ができれば、機能再建に役立つばかりでなく、解明される脳情報をBMI制御などに用いる事で、機能代替としてより効率的な義足・下肢装具の開発のための基礎技術につながり、新たなニューロリハビリ開発の礎となると考えられる。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

現在当該研究について倫理委員会に申請中であるが、研究者が所属する施設において認定審査委員会を新たに立ち上げるとのことで、すべての臨床介入研究の審査が停止された。そのため、認定審査委員会が立ち上がるまで審査が進まず、当該研究の進行が遅れている。

今後の研究の推進方策

研究者が所属する施設の倫理委員会の審査が通り次第、健常者および患者を募集し、研究を進めていく予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該研究に必要な物品について、研究準備日程の影響等により当該年度で購入ができなかったため。翌年度は必要物品を購入し、研究を進めていく予定である。

  • 研究成果

    (8件)

すべて 2017

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] tcDCS(経頭蓋小脳直流電気刺激)を用い前庭リハビリテーションの効果増強を試みた2症例2017

    • 著者名/発表者名
      五島 史行, 荒井 美希, 利國 桂太郎, 若林 毅, 細谷 誠, 山本 修子, 南 修司郎, 松永 達雄, 角田 晃一, 美馬 達哉, 小金丸 聡子
    • 雑誌名

      耳鼻咽喉科・頭頸部外科

      巻: 89 ページ: 471-475

    • 査読あり
  • [雑誌論文] Effects of vestibular rehabilitation combined with transcranial cerebellar direct current stimulation in patients with chronic dizziness: An exploratory study.2017

    • 著者名/発表者名
      Koganemaru S, Goto F, Arai M, Toshikuni K, Hosoya M, Wakabayashi T, Yamamoto N, Minami S, Ikeda S, Ikoma K, Mima T.
    • 雑誌名

      Brain Stimul.

      巻: 10 ページ: 576-578

    • DOI

      10.1016/j.brs.2017.02.005.

    • 査読あり
  • [学会発表] 歩行周期に合わせた経頭蓋律動脳刺激が脳卒中後片麻痺者における歩行機能と歩行中の皮質脊髄路機能に与える影響 無作為化クロスオーバー比較試験2017

    • 著者名/発表者名
      北谷 亮輔, 小金丸 聡子, 前田 絢香, 三上 祐介, 大畑 光司, 松橋 眞生, 美馬 達哉, 山田 重人
    • 学会等名
      理学療法学会
  • [学会発表] TMSを用いたニューロフィードバックによる抑制性神経活動の制御2017

    • 著者名/発表者名
      小金丸 聡子, 美馬 達哉
    • 学会等名
      日本臨床神経生理学会
  • [学会発表] トレッドミル歩行時の歩行リズムに対する咀嚼リズムの引き込み現象2017

    • 著者名/発表者名
      前澤 仁志, 小金丸 聡子, 松橋 眞生, 舩橋 誠, 美馬 達哉
    • 学会等名
      日本臨床神経生理学会
  • [学会発表] 非侵襲的脳刺激法を用いたハイブリッドリハビリテーションと今後の展開2017

    • 著者名/発表者名
      小金丸聡子
    • 学会等名
      日本臨床神経生理学会
    • 招待講演
  • [学会発表] 進行性非流暢性失語の症例に対する長期tDCSと言語訓練併用の効果2017

    • 著者名/発表者名
      大橋 良浩, 小金丸 聡子, 巨島 文子
    • 学会等名
      第40回 日本高次脳機能障害学会学術総会
  • [学会発表] 短期間のリハビリテーション介入により運動・認知機能が改善した脳表ヘモジデリン沈着症の一例2017

    • 著者名/発表者名
      長尾 陽子, 小金丸 聡子, 羽森 貫, 土井 あかね, 仲野 春樹, 冨岡 正雄, 小林 龍生, 佐浦 隆一
    • 学会等名
      日本リハビリテーション医学会

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公開日: 2018-12-17  

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