研究課題
今年度は、平成30年度、平成29年度の実験結果を利用して、難治性歩行障害を持つ脳卒中患者をリクルートし、歩行律動に同期した律動性脳刺激、及び末梢神経筋刺激によるハイブリッド刺激が歩行機能を回復させる事を確認した。また、より効率的な刺激パラメータとして、各患者の下肢機能に応じて末梢筋神経電気刺激の強度を変化させる試みも行った。歩行周期および、立脚期・遊脚期は各患者の重症度、健側・病側の下肢によって異なるため、各患者ごとに、また左右の下肢ごとに設定した。これにより、重度の歩行障害患者でも歩行が可能となった。また重度の麻痺においては立位の保持自体が困難なことも多いため、重度麻痺患者では部分免荷トレッドミルを用いた。さらに、非侵襲的脳刺激法である経頭蓋磁気刺激法により歩行機能の回復過程に伴う、患側および健側一次運動野の足領域における皮質脊髄路興奮性の可塑的変化を計測した。また、長期的に回復が維持されるかを確認するため、長期介入として、1日1回*週2回*5週間、計10回の介入を行い、介入前後、2週間後に上記評価を行った。数人の患者では、半年後で上記評価を行ったところ、歩行機能の改善が維持されていることが確認された。これらの結果について、本年度は、研究成果を国際学会や国際的雑誌に発表することができ、成果を社会に還元することができた。新たな歩行リハビリテーション開発の一助となる成果を得ることができ、歩行機能回復の神経基盤の解明につながる成果を得た。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (6件) (うち国際共著 1件、 査読あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 2件、 招待講演 2件)
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