研究課題/領域番号 |
17K01459
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
榊間 春利 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (10325780)
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研究分担者 |
樋口 逸郎 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 教授 (80183573)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 脳梗塞 / リハビリテーション / 神経保護 / アポトーシス抑制 / 予防運動 |
研究実績の概要 |
当該年度は、定期的な運動トレーニングによる脳梗塞後の神経保護効果を免疫組織化学的、分子生物学的に調べた。 実験動物にはSD系雄性ラットを使用し、無作為に運動群、非運動群、運動のみ群、コントロール群の4群に分けた。運動介入としてトレッドミル運動(25m/min、30分/日、5回/週)を3週間行った。非運動群とコントロール群は3週間の自由飼育とした。運動群と非運動群は3週後に脳梗塞モデルを作製し48時間後に脳を採取しTTC染色によって梗塞巣の体積を測定した。脳内の生理活性物質として、神経栄養因子(MK、BDNF)、反応性アストロサイト(GFAP)、微細血管(PECAM-1)、アポトーシス(Caspase-3)、酸化障害(Nitrotyrosine:NT)の抗体を用いて免疫組織化学染色とWestern blottingを行った。 3週間の運動により、脳梗塞巣の体積縮小と運動-感覚機能改善が見られた。免疫組織化学染色の結果、運動群は非運動群に比べ、MK、BDNF、GFAP、PECAM-1免疫陽性細胞面積が有意に増加していた。運動群のCaspase-3やNTは非運動群と比較して有意に減少していた。Western blottingも同様の結果であった。 これらの結果より、定期的な運動により神経保護効果が認められ、神経栄養因子の発現増加によるアポトーシスや酸化ストレス抑制が神経保護作用に関与していることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の学術研究助成基金助成金により、我々の研究室でタンパク定量、分析が行えるようになり大幅に研究が進んだため。
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今後の研究の推進方策 |
申請時の予定通り、定期的な運動トレーニングによる脳損傷後の神経保護効果の継続期間の検討、高齢脳を対象として運動が神経保護作用に及ぼす分子機構を検討していく。
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