研究課題
本研究は、安静・不動が余儀なくされる部位と異なる部位の随意的筋収縮と運動想起(Motor Imagery: MI)が脊髄前角細胞の興奮性に与える影響を臨床神経生理学の立場から検証し、得られた結果を機能再建に応用する可能性をリハビリテーション医学の立場から探求する。(1)脊髄の髄節性支配が異なる筋の随意収縮とMIが脊髄興奮性に及ぼす影響を尺骨神経刺激で第1背側骨間筋(FDI)から導出したF波で検討する。(2)異なる髄節性支配を受ける筋の筋収縮とMIがもたらす脊髄興奮性に及ぼす影響が,経頭蓋直流電気刺激(tDCS)によるNeuro-modulationで生じる変化を検討する。2019年度と延長した2020年度については、頸部の前方屈曲、頸部の回旋がFDIのF波に及ぼう影響の結果をまとめた。一方で、tDCSを用いた新規の検討はCOVID-19流行により筋電図・電気生理検査を行う環境の制約が大きく実施が困難であった。また、2020年には統計処理を実施していた複数の機器に不調が生じ、時間的制約からtDCSを用いた新たな実験には着手することができなかった。なお、2021年度からの実験計画・態勢を機器などの再整備により再度整えることが2020年度中に事務方の研究支援を得て可能になった。頸部の前方屈曲ではFDIのF波の振幅・出現率はMIと軽度随意筋収縮で有意に増加した。F波最小潜時には安静時と比較してMI、随意筋収縮で変化を認めなかった。頸部の回旋ではFDIのF波の振幅・出現率は軽度随意筋収縮で増加した。F波最小潜時には安静時と比較して随意筋収縮で変化を認めなかった。
すべて 2021 2020
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件)
Aging Clin Exp Res
巻: - ページ: -
10.1007/s40520-021-01787-1.
Aging Clin Exp Res.
巻: 32 ページ: 791-798
10.1007/s40520-019-01404-2