研究課題
本年度は、心血管疾患における各種血中脂肪酸分画の質的量的変化との関連、心筋MRS法の臨床的有用性について検討した。心筋脂肪酸代謝を反映するBMIPP心筋シンチグラフィーの洗い出し率低下を認める心不全症例では予後が不良であること、臓器や細胞の主たるエネルギー源である長鎖脂肪酸の細胞内代謝異常により中性脂肪が異所的に細胞内に蓄積し脂肪毒性とエネルギー不全を生じる中性脂肪蓄積心筋血管症(Triglyceride deposit cardiomyovasculopathy: TGCV)患者に対して、大阪大学医学部附属病院でアカデミア開発された治療薬トリカプリンを主成分とするCNT-01の投与は、BMIPP心筋シンチグラフィーの洗い出し率を改善させたこと、CNT-01投与を行い1H- MRS測定を行ったTGCV患者において、心筋内中性脂肪量の低下を非侵襲的に確認したこと、回復期心臓リハビリテーション患者における簡易栄養状態評価表を用いた栄養評価では、47%が低栄養であり、低栄養群は栄養状態良好群と比較し、BMI、ヘモグロビン値、上腕径が有意に低いこと、心臓リハビリテーションにより、フレイル群、プレフレイル群、非フレイル群のいずれの群も6分間歩行距離は改善し、状態不安はプレフレイル群と非フレイル群において改善し、特性不安は非フレイル群のみにおいて改善したことを報告した。基礎研究では、高齢モデルマウスの骨格筋をLC-MS/MSを用いてメタボローム解析を行い、サルコペニアの骨格筋では健常の骨格筋に比しPGE2、PGF2a、TXB2、5-hydroxyeicosatetraenoic acid、15-oxo-eicosatetraenoic acid、12-hydroxy-eicosapentaenoic acid、14,15-epoxy-eicosatetraenoic acid、10-hydroxydocosa-hexaenoic acid、14-hydroxyoctadeca-pentaenoic acid が有意に高値であることを報告した。
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