2017 年度実施状況報告書

心臓リハビリテーションの炎症性サイトカインを介した有用性の解明

研究課題

研究課題/領域番号	17K01471
研究機関	昭和大学
研究代表者	正司真昭和大学, 医学部, 講師 (50384392)
研究分担者	木庭新治昭和大学, 医学部, 准教授 (20276546) 角田史敬昭和大学, 医学部, 助教 (60384393)
研究期間 (年度)	2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード	リハビリテーション医学
研究実績の概要	運動療法を主体とした心臓リハビリテーション（心リハ）は重要な動脈硬化の予防戦略となる一方、動脈硬化の形成、進展には脂肪細胞を介した炎症性サイトカインのネットワークが関与する。心リハに参加した患者を長期にわたり追跡し、運動療法がサイトカインと脂質に与える影響を横断的、多面的に観察した研究は少ない。本研究は、臨床研究と動物実験を組み合わせ、急性冠症候群の患者における炎症の波及と脂質プロファイルとの推移を長期にわたり観察し、運動療法の詳細なメカニズムを明らかにする。臨床研究においては急性冠症候群で入院し冠動脈ステント留置術を施行された患者で、心臓リハビリテーションに参加した患者を対象とする。急性期と慢性期に血液検査を行い脂質のパラメーターと炎症性サイトカインを測定し、その推移と運動耐容能の改善度の関連を調べる。動物実験としてマウス高脂肪負荷動脈硬化モデルを作成し、回転器の設置の有無で運動群と非運動群に割り付けを行う。血液中の炎症性サイトカインと脂質のパラメーターの測定を行い二群間での比較検討を行う。同様にマウス骨髄移植モデルにおいても検討を行う。動物モデルを使用することにより臨床研究に応用可能である炎症性サイトカインや脂質パラメーターをさらに絞り込むことが可能となり、同時に臨床研究のデータをフィードバックし動物実験で再確認することが可能となる。今後の研究展開として臨床研究のエントリー患者の半年間にわたる追跡及び動物実験を継続する。動物モデルで有意な炎症性サイトカイン、脂質パラメーターを同定し、臨床研究の試料を用いて有用性の確認を行う。さらに臨床研究のデータを動物実験で確認することも相補的に行い、測定項目と運動療法による血行動態の変化、運動耐容能や血管内皮機能の改善との相関係数を算出して統計学的に評価する。
現在までの達成度 (区分)	現在までの達成度 (区分) 3: やや遅れている理由臨床研究においては急性冠症候群で入院し冠動脈ステント留置術を施行された患者で、心臓リハビリテーションに参加した患者を対象とする。急性期と慢性期に血液検査を行い脂質のパラメーターと炎症性サイトカインを測定し、その推移と運動耐容能の改善度の関連を調べる予定である。開始にあたりさらに詳細なプロトコールの提出と所属機関の医の倫理委員会に於いての承認を必要としたため対象患者の登録がやや遅れている。動物実験としてマウス高脂肪負荷動脈硬化モデルを作成し、回転器の設置の有無で運動群と非運動群に割り付けを行う。血液中の炎症性サイトカインと脂質のパラメーターの測定を行い二群間での比較検討を行う。同様にマウス骨髄移植モデルにおいても検討を行う。同様に所属機関における動物実験委員会のプロトコール承認を経たため実験の進捗がやや遅延している。
今後の研究の推進方策	平成29年度に施行された研究の続きを行う。臨床研究のエントリー患者の拡充を行う。その後半年間にわたる追跡を行う。動物実験についてはモデル作成を開始、継続する予定である。動物モデルで有意な炎症性サイトカイン、脂質パラメーターを同定し、臨床研究の試料を用いて有用性の確認を行う。さらに臨床研究のデータを動物実験で確認することも相補的に行う。研究の進捗状況から臨床研究、動物実験において測定項目と運動療法による血行動態の変化、運動耐容能や血管内皮機能の改善との相関係数を算出して統計学的に評価する。また臨床研究においては経過中の再入院群に関してはROC曲線でサイトカインのcut off値を算出し、ステップワイズ法で変数選択の上名義ロジステック分析による多変量解析を行い、再入院に寄与した因子を同定を行う。
次年度使用額が生じた理由	臨床研究においては急性冠症候群で入院し冠動脈ステント留置術を施行された患者で、心臓リハビリテーションに参加した患者を対象とする。開始にあたりさらに詳細なプロトコールの提出と所属機関の医の倫理委員会に於いての承認を必要としたため対象患者の登録がやや遅れている。次年度患者血清のサイトカイン等、検体測定費に使用予定である動物実験としてマウス高脂肪負荷動脈硬化モデルを作成し、回転器の設置の有無で運動群と非運動群に割り付けを行う。同様に所属機関における動物実験委員会のプロトコール承認を経たため実験の進捗がやや遅延している。次年度にマウス、運動器の購入、検体測定のために使用予定である。