研究課題/領域番号 |
17K01475
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
高橋 謙治 国際医療福祉大学, 医学部, 教授 (30347447)
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研究分担者 |
新藤 康弘 東洋大学, 理工学部, 助教 (00553017)
井関 祐也 八戸工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00780222)
加藤 和夫 明治大学, 理工学部, 専任教授 (80115104)
黒田 輝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70205243)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 深部加温 / 超音波 / 空洞共振器 / 温度測定 |
研究実績の概要 |
(深部加温装置の開発) 高周波電力増幅器 (High frequency amplifier) と空胴共振器アプリケータ (resonant cavity applicator) とで構成された深部加温装置を開発した。高周波電力増幅器には,全自動整合システムが搭載されており,簡単な操作で,共振周波数の同調やインピーダンス整合を自動的に行うことが可能である。(超音波非侵襲温度計測法による加温特性の検証) 昨年度開発したサブピクセル画像処理を行ったうえ,差分することで計算精度を高めた。加温前後での超音波プローブによる同位置計測を実現するために,ロボットアーム制御による超音波画像診断プローブガイドシステムと、3名の被験者それぞれからcastingしたLeg braceを用いて計測システムを構築した。(Phantomを用いた深部加温の検証)寒天ファントムの中心部に光ファイバ温度計を刺入した状態で、中央断面の超音波画像を取得した。画像取得後、光ファイバ温度計を刺入した状態で空胴共振器内に設置し、加温実験を実施した。加温終了直後、再度ファントム中心部の超音波画像を取得した。また光ファイバ温度計を垂直方向に引き抜きながら5mm間隔での温度計測を行った。計測終了後に,本計測システムによる温度分布結果と、光ファイバ温度計による計測結果とを以下の式を用いて正規化し、比較検討を行った。両者の温度分布傾向は良く一致しており、ファントム中央部で最高温度となっていた。光ファイバ温度計による温度計測値と超音波画像から求めた温度計測値の平均誤差率は深さによらず約13%以内であった。加温されていることが確認できたファントム中央部では、最も誤差率が少なかった。(臨床研究の開始)深部加温装置を用いて変形性膝関節症患者に対する臨床研究を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
超音波関節温度計測の精度を高めた。Phantom実験で光ファイバ温度計よる実測値とよく一致した。超音波診断装置を用いた非侵襲温度計測デバイスの実用化も目処がたった。リエラント型空洞共振器による新規温熱療法器の臨床研究を開始した。計画は順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
倫理委員会の承認を得て国際医療福祉大学病院で20名の変形性膝関節症患者に対して開発した深部加温装置による臨床研究をすすめていく。45歳以上の変形性膝関節症(Kellgren-Lawrence grade I ~ VI)と診断された患者とし、代謝性疾患、膠原病などの関節炎、骨壊死は除外する。除外基準は、BMI 30以上、下肢に手術もしくは重篤な外傷既往のある者、現在治療中の者、インフォームド・コンセントを得られなかった者とする。質問紙(Visual Analogue Scale (VAS), Japanese Orthopedic Association knee rating score (JOA), Japanese Knee Osteoarthritis Measure (JKOM), Knee injury and Osteoarthritis Outcome Score (KOOS), Tegner activity scale (Tegner).)による臨床症状調査およびMRI T2 mappingによる軟骨変性解析で評価する。有害事象がないか安全性を確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
臨床研究用のパワーアンプの購入が次年度にずれこんだためである。現在1台のパワーアンプおよび空洞共振器を有しているが臨床研究では複数の患者を並列で加温する必要があり、さらに1台作製が必要である。
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