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2018 年度 実施状況報告書

COPD増悪因子としての呼吸と嚥下の協調性とリハビリテーションの可能性

研究課題

研究課題/領域番号 17K01489
研究機関兵庫医科大学

研究代表者

越久 仁敬  兵庫医科大学, 医学部, 教授 (20252512)

研究分担者 佐藤 晋  京都大学, 医学研究科, 助教 (40378691)
室 繁郎  奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (60344454)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワードCOPD / 予後予測 / 嚥下機能 / 呼吸と嚥下の協調性
研究実績の概要

これまでの研究で、嚥下前後に吸息を行う頻度が高い(>20%)患者群では増悪を起こしやすいことが明らかになった(Nagami S, Oku Y, et al. BMJ Open Resp Res 4: e000202, 2017)。そこで、これらの患者の追跡調査を行い、予後、嚥下前後の呼吸パターンと肺機能低下、画像上の気腫の進行との関連性の検討を行った。その結果、追跡調査が可能であった46名のうち、14名が死亡・頻回増悪・通院不能/在宅移行など予後不良であり、予後不良患者では、嚥下前後に吸息を行う頻度が有意に高かった。また、呼吸と嚥下の協調性を再評価できた25名においては、嚥下前後に吸息を行う頻度の減少傾向を認めた。以上の結果より、呼吸と嚥下の協調性は増悪関連因子であるだけでなく、予後予測因子である可能性が示唆された。以上の結果は、第59回日本呼吸器学会学術講演会において報告した。
睡眠時の呼吸‐嚥下パターンの解析については、我々の開発した嚥下モニタ(Yagi et al., MBEC 55:1001-1017, 2017)での解析結果と、オトガイ下(舌骨上筋群)と甲状舌骨筋の筋電図からの目視による嚥下の検出結果の一致度が悪く、まず信頼できる睡眠中の嚥下検出アルゴリズムの確立が必要と考えられた。そこで、嚥下箇所が押しボタン信号で記録されている嚥下モニタデータに畳み込みニューラルネットワーク (CNN)を用いたディープラーニングを行い、嚥下箇所の検出を試みた。3層のCNNと3層の全結合層からなるネットワークを異なる非嚥下区間データセットで繰り返し学習させたところ、精度90%を達成した。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

1.研究分担者の異動により、夜間嚥下モニタリングが困難となった。
2.嚥下モニタでの解析結果と、オトガイ下(舌骨上筋群)と甲状舌骨筋の筋電図による嚥下の検出結果の一致度が悪く、まず信頼できる睡眠中の嚥下検出アルゴリズムの確立が必要となった。

今後の研究の推進方策

1.COPD患者の追跡調査は論文化する。
2.嚥下検出アルゴリズムに関しては、ボルツマンマシンを使うなどして、更なる精度の向上を図る。
3.嚥下モニタに、バイオフィードバック機能を付加して、呼吸と嚥下の協調性の矯正トレーニングシステムを開発する。

次年度使用額が生じた理由

研究分担者の異動により、夜間嚥下モニタリングが困難となり、未使用額が発生した。未使用額は、呼吸と嚥下の協調性を改善させるバイオフィードバックシステムの開発などに当てる予定である。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019

すべて 学会発表 (2件) (うち国際学会 1件)

  • [学会発表] Coordination between swallowing and breathing: pathophysiology and its clinical significance.2019

    • 著者名/発表者名
      Yoshitaka Oku
    • 学会等名
      9th Congress of the Federation of the Asian and Oceanian Physiological Societies (FAOPS)
    • 国際学会
  • [学会発表] COPD患者における嚥下-呼吸協調異常の長期経過と予後2019

    • 著者名/発表者名
      永見 慎輔、佐藤 晋、越久 仁敬、佐藤 篤靖、田辺 直也、八木 直美、福永 真哉、平井 豊博、室 繁郎
    • 学会等名
      第59回日本呼吸器学会学術講演会

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公開日: 2019-12-27  

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