研究課題/領域番号 |
17K01497
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研究機関 | 東京医科歯科大学 |
研究代表者 |
相澤 純也 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法技師長 (60376811)
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研究分担者 |
増田 正 福島大学, 共生システム理工学類, 教授 (00358003)
柳下 和慶 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (10359672)
山田 拓実 首都大学東京, 人間健康科学研究科, 教授 (30315759)
古賀 英之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 准教授 (30594080)
大見 武弘 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (50749190)
廣幡 健二 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 理学療法士 (90747700)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ACL損傷 / ジャンプ着地 / 筋活動 / 関節角度 |
研究実績の概要 |
研究分担者が所属する当院整形外科で前十字靱帯(ACL)損傷(半月板損傷含む)の再建・修復術を受け、研究代表者である相澤が所属するアスレティックリハビリテーション部門で2012年4月より2019年3月までにスポーツ理学療法を受けた術後アスリート225名の利き脚,受傷側,受傷状況,参加スポーツ、身体機能などに関するデータを後方および前方視的に調査・抽出した.そして、利き脚はどちらか/受傷側はどちらか/非利き脚受傷か利き脚受傷か,に関するデータベースを構築した.各々の割合を算出し,これらの差について統計学的に分析し、男女別,参加スポーツ別にサブグループ解析を行った.また、術前、術後3か月、術後6か月時の身体機能データを連結し、時系列でデータの特徴を把握できるようにデータベースの質を向上させた。 片脚ジャンプ着地中の運動力学的変数の非対称を選手に自覚させ,着地中のACL過負荷につながる緩衝能力不足や姿勢不良がより明らかな片側に対して重点的に動作やエクササイズを指導することで片側のACL負荷が軽減し,結果的に全体のACL損傷発生率を低下させうるという仮説のもと、30名の再建術後アスリートを対象として片脚着地衝撃の非対称性と、膝伸展筋力の非対称性との関係を分析した。その結果、膝伸展筋力の非対称性が大きい群では着地衝撃が術側で有意に高く、かつ非対称であることが明らかになった。以上の分析で明らかとなった特徴について論文、図書、学会、シンポジウム・セミナー等で公表した。 今後は膝伸展筋を含めて着地中の緩衝や姿勢コントロールに関わる下肢筋の筋活動を様々な動作・エクササイズにおいて計測・分析し、筋活動の非対称を含めた特徴を明らかにし、ACL損傷・再損傷予防のための動作指導の根拠を得たいと考えている。その後,損傷リスクの高い片側に特化した姿勢・筋活動指導プログラムを作成し現場に普及させる予定である.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ACLの過負荷につながる着地衝撃の大きさに関わる筋活動の詳細な特徴を把握するための研究を追加実施する必要性が生じ、その準備と遂行に時間を要している。
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今後の研究の推進方策 |
同部門に所属する研究分担者とエフォートをコントロールしつつ、データ処理補助スタッフの雇用も検討しながら、具体的な姿勢・筋活動指導プログラムの作成に向けて、特に筋活動に着目したデータ計測・分析を加速していく。得られた研究成果は、学会演題、論文、シンポジウム・セミナー、ホームページなどで適時公表していく。
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次年度使用額が生じた理由 |
既に設置してある筋電図解析システムで用いるプローブを購入する予定であったが、アーチファクトへの対応や計測・分析の効率化のために別システムの導入を準備し、それに伴って購入するプローブの種類、購入時期にも変更が生じた。システム全体の準備が整い次第、次年度にプローブを新規購入する。
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