研究課題/領域番号 |
17K01507
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
花田 匡利 長崎大学, 病院(医学系), 技術職員 (00596869)
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研究分担者 |
神津 玲 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(保健学科), 教授 (80423622)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 敗血症 / 筋委縮 / 電気刺激療法 |
研究実績の概要 |
敗血症患者は不安定な全身状態のため,人工呼吸器をはじめ種々の生命維持装置や投薬治療から不活動となり全身に様々な悪影響を及ぼす.全身性炎症により急速な筋萎縮が誘発されるため,早期離床による筋機能の低下予防,ひいては身体運動機能の維持,向上が必要不可欠である.しかし,重症例においては積極的な離床や筋収縮運動を実施できる状態ではない.最近,電気刺激による他動的な筋収縮運動が適用されているが,その効果に関しては一定していない.本研究の目的は,敗血症患者に対する電気刺激療法の効果に関して,筋蛋白分解の推移をその指標に加えて検討することである.今回,筋厚や筋力など様々な視点から検証し,早期からのNMESの適用が退院時および転院時における下肢筋力(筋出力;筋力測定,筋厚;超音波)および身体機能,運動耐容能,ADLに及ぼす影響についても検討した.今回,電気刺激装置を使用し,刺激部位:両側下肢,刺激強度:45Hz; 400-μs,通電時間12秒,休止時間6秒,強度40-80mA,実施時間:1セッション60分間,実施頻度:週に5回以上で実施した.症例数は少ないが敗血症患者で検討した結果,筋厚および筋力の低下とは逆に尿中3-MHは上昇し,筋蛋白分解の亢進を認めた.敗血症患者は炎症によって代謝は亢進しているが,筋蛋白分解の推移に関しては不明であり,これらの特徴を捉えることと,さらにはNMES併用時に蛋白分解の推移が判明すれば,NMES適用の意義を明らかにできる可能性が示唆された.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
各種機器や備品の納期や調達が遅れ,研究開始に時間を要した.研究開始以降も,重症患者で同意を得ることが難しく,全身状態が不安定な重症患者に対して研究協力への家族の代諾も得にくい状況や,全身状態悪化により脱落例も多く,順調にデータ収集が進んでおらず,まだ症例数としては少ないため,研究の進行は遅れている状況.
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今後の研究の推進方策 |
これまでの結果から,症例数も少ないのでコントロール郡との比較もできず明確な結果が示せていないが,敗血症患者において筋厚および筋力の低下とは逆に尿中3-MHは上昇し,筋蛋白分解の亢進を認めた症例が多かった.今後も,電気刺激療法の効果を検討できる様に症例数を増やしていく予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)各種検査機器や備品の調達が遅れ,研究開始に遅れが生じた.研究開始以降も,脱落例が多く,まだ症例数としては少ない状況.
(使用計画) 症例数を増やし,不足している必要機器の購入を予定している.
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