研究課題/領域番号 |
17K01513
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
佐々木 雄一 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (00570136)
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研究分担者 |
佐々木 祐典 札幌医科大学, 医学部, 講師 (20538136) [辞退]
本望 修 札幌医科大学, 医学部, 教授 (90285007)
山下 達郎 札幌医科大学, 医学部, 研究員 (60815439)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 再生医療 / 骨髄間葉系幹細胞 / リハビリテーション / 可塑性 |
研究実績の概要 |
本研究課題において、我々は、リハビリテーションと骨髄間葉系幹細胞 (mesenchymal stem cell: MSC)の併用で得られる治療効果のメカニズムを詳細に検討するために、中大脳動脈永久閉塞モデル(MCAO)ラットを作製し、コントロール群、リハビリテーション群、MSC移植群、併用群の4群に分け、4群間での治療効果とその治療効果のメカニズムを比較検討することを目的とした。細胞移植群はMCAO作成6時間後に大腿静脈からMSCを投与した。リハビリテーションとして運動を付加する群には、MCAO作成1日後よりトレッドミル走行を毎日行った。運動強度は毎分3mから開始し、1週ごとに毎分3m増加する比較的低強度のプロトコールで進めた。治療効果の検討は、四肢機能評価としてLimb placement testを継時的に行った。また、画像診断学的評価としてMRI T2強調画像により脳梗塞体積の継時的定量を行い、さらにMRI Diffusion Tensor Imagingを用いた神経回路の定量解析、組織学的評価として順行性軸索トレーサーを用いた神経回路におけるrewiringの定量解析を試みた。四肢機能における結果では、併用群において最大の改善を認めた。その改善は、MCAO作成35日後においてMSC移植群と比較し、優位な改善を示す結果が得られた。脳梗塞体積においても、併用群において最も脳梗塞体積の減少を認め、MCAO作成35日後にはMSC移植群よりも優位に減少していることが判明した。また、神経回路の定量解析においても、画像診断学的評価と組織学的評価の双方の側面から、コントロール群と比較してMSC移植群で神経回路のrewiringが生じている可能性が示唆された。
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