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2018 年度 実施状況報告書

発達障害児の頭部-眼球運動の協調性の特性と生活・学習上の課題との関連に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K01514
研究機関札幌医科大学

研究代表者

仙石 泰仁  札幌医科大学, 保健医療学部, 教授 (10248669)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード眼球・頭部協調運動 / 作業療法
研究実績の概要

日常生活動作(以下、ADL動作)を適切遂行する上で、眼球-頭部協調運動は重要な運動機能の一つとして考えられるが、その詳細については不明な点が多い。本研究では健常成人21名を対象にADL動作中の眼球・頭部協調運動の特徴を明らかにするために、JINS MEME(JINS社製JINS MEME ES-R)を用いて、単純追従課題・食事・トイレへの移乗動作時の頭部の加速度、頭部の角加速度、眼電図を測定した。その結果、机上での追視課題では、視角の増加に伴って眼電位・頭部の角速度共に増加していた。また、眼球頭部協調運動での眼電位と頭部の角速度も同様の傾向が得られたが、眼球運動のみ、頭部運動のみに比べると値は小さくなった。ADL課題では食事動作において目が先行して協調運動を行う者が有意に多かった。頭部運動では平皿と深皿で有意差が認められた。移乗動作ではすべての対象者で頭部が先行し、方向転換と立ち上がりの間で頭部運動に有意な差がみられた。また、立ち上がり動作では便座の高さによって眼電位にも有意な差がみられた。これらの結果から動作特性に応じて入手しなければならない視覚情報のパターンが変わることや、姿勢条件の変化に合わせて、健常者では眼球運動と頭部運動の協調性を変化させて適応させている可能性が考えられ、今後新たな評価・治療介入の指標として本研究結果が利用できる可能性が示唆される結果が得られている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

眼球・頭部協調運動の評価機器の選定と、実験への適応のための改良に時間を要したために、動作単位での測定が遅れてしまった。評価機器の構成が30年度で決まったことから、当初予定にある発達障がい者でのデータ収集に取り掛かる予定である。

今後の研究の推進方策

健常者の眼球・頭部協調運動の測定を継続し行い、健常成人の動作種毎のパターンを明確化するとともに、発達障がい者のデータ収集も行い障害特性との関連について分析を進める。眼球・頭部協調運動の測定として眼電位とジャイロセンサーを用いていたが、現在用いている機器では眼電位の測定結果が不安定なため、アイカメラによる測定も同時に行い、視線停留と動作種との関連についても分析を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

眼球・頭部協調運動を適切に測定できる機器の構成の決定が遅れたため、これらの機器購入が年度内に行えなかった。次年度は決定した機器構成に関する購入を進めていく予定である。

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公開日: 2019-12-27  

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