単純な追視と目的のある活動であるADL動作での眼球頭部協調運動のパターンが異なっていること,またADL動作でも机上での食事課題のような静的な動作と姿勢変換を伴う移乗動作のような動的な動作で眼球頭部協調運動のパターンが異なっているということが明らかとなり,協調運動障害を伴う様々な疾患でリハビリテーションを行う際の課題提示や方略指導の方法に一定の指針が示せる可能性がある。また、眼球運動・頭部運動の分担比という分析方法を取り入れることで.視覚探索や分類といった課題特性に応じた眼球頭部協調運動の個人間の比較が可能となり、これらの課題で困難さを認める対象者の生涯構造の分析に貢献できることが期待される。
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