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2018 年度 実施状況報告書

運動時呼吸負荷トレーニングによる呼吸応答戦略の解明と効果予測モデルの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K01518
研究機関埼玉県立大学

研究代表者

木戸 聡史  埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 准教授 (50513214)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード呼吸筋トレーニング / 呼吸リハビリテーション / シミュレーション
研究実績の概要

当該年度は、身体運動と呼吸負荷を組み合わせて行う運動時呼吸負荷トレーニング中の呼吸筋応答を解明するためのシミュレーション解析における要素実現を行うとともに、トレーニング適応による生理学的パラメータの経時変化を解明するための実験を実施した。
シミュレーション解析においては、胸郭は多数の関節および呼吸筋が存在するため、求める解が得られることが容易ではないと考えられるため、当該年度は、昨年度のモデルを基盤にして胸郭を構成する関節、呼吸筋の再現度を高めた上で,胸郭の変形および胸郭内体積変化を引き起こす実現可能性を検討することを目的とした。横隔膜のピストン運動と吸気補助筋群によるpump-handle motionにより胸郭内体積変化を引き起こすことが可能なカパンディーの提灯モデルを参考にした胸郭モデルを作成し、トレーニング中の吸気補助筋活動から算出した疑似張力を使用することで、体積変化と横隔膜変位および応力の算出が可能であることが確認された。トレーニング条件によって横隔膜活動を評価できるシミュレーションモデリングの報告はこれまでに見当たらず、機能解剖学的視点において,吸気補助筋と横隔膜による胸郭内体積の変化を引き起こすモデルである。
運動時呼吸負荷トレーニングの継続による経時変化を解明するための実験では、6週間のトレーニング経過を5時点において評価した。計測項目は呼吸機能検査と運動負荷試験による呼吸代謝指標だった。結果として換気性代謝閾値は2-4週目から上昇する傾向があり、トレーニングによる深い呼吸パターンの習得と関連する可能性がみられた。最大吸気口腔内圧は2週目、呼吸筋耐久力については4週目から上昇していた。このように当該年度には身体各機能に対するトレーニング効果の出現は一様ではないことが明らかになった。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初予定に従い、作成したモデルに実験による取得データを導入して解析を行ったことに加え、6週間トレーニングの計測評価実験により生理学的パラメータが取得できたため。

今後の研究の推進方策

今後も当初研究計画に従って研究を推進する。Model-based approach による解析では、胸部断層画像を用いた3D化を実施し、解析の正確性の向上を図る予定である。また、運動時呼吸負荷トレーニングの効果予測においては、トレーニングにより得られる生理学的効果の立式化と各指標の関係性の解明を行う予定である。

次年度使用額が生じた理由

当該年度では旅費と解析に使用するソフトウェアの購入および保守を他の財源から捻出することができた。加えて計上していた人件費については多くを研究者自身が行うことができたため、当該助成金が生じた。次年度使用額は胸郭構造の3D化と成果公表に係る使用を計画している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2018

すべて 学会発表 (2件)

  • [学会発表] リハビリテーション介入における呼吸動態を解明するために使用できる胸郭シミュレーションモデル構築のための実現可能性研究 吸気筋トレーニング負荷強度による呼吸筋動態に着目して2018

    • 著者名/発表者名
      木戸聡史、赤間美波、吉田佑、櫻井秋平、宇佐美友香、佐藤晶子、兪文偉
    • 学会等名
      日本呼吸ケアリハビリテーション学会
  • [学会発表] トイレ動作においてひとの動きを検出するアルゴリズムの提案および最適パラメータの検討と当該提案手法が転倒転落検知の精度に及ぼす影響 - 健常対象者 1 名における実験室レベルの検討 -2018

    • 著者名/発表者名
      木戸聡史、宮坂智哉、村田健児、高橋ひとみ、櫻井秋平、濱口豊大、星文彦、久保田章仁、田中敏明
    • 学会等名
      第7回日本支援工学理学療法学会学術大会

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公開日: 2019-12-27  

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