研究課題/領域番号 |
17K01521
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
中山 明峰 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 准教授 (30278337)
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研究分担者 |
坂本 なほ子 東邦大学, 看護学部, 准教授 (20398671)
近藤 真前 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (30625223)
佐藤 慎太郎 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (50304910)
蒲谷 嘉代子 名古屋市立大学, 大学院医学研究科, 助教 (50569259)
浅井 友詞 日本福祉大学, 健康科学部, 教授 (70515600)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前庭 / リハビリ / 睡眠 / 平衡機能 / アクチメーター / 睡眠日誌 |
研究実績の概要 |
増加する慢性めまいに対し前庭リハビリ治療の必要性はあるものの、エビデンスに基づく効果判定法がないことが問題視されている。申請者らはこれまでi)世界で初めてめまいと睡眠の関連性を解明、ii)前庭リハビリ教科書の作成による教育活動、iii)多角的観点を持ったチームによる先端的研究を実行、した。これらの過程で、前庭リハビリに対し確立した客観的評価法がない問題は、睡眠医療の導入により解決できると考えた。本研究では、I)睡眠医療を導入した新たなる前庭リハビリ評価法の開発、II)客観的重症度評価法から前庭リハビリ治療法の開発、III)前庭リハビリマニュアル作成と標準化、について段階的に研究をしている。 これまで、アンケート調査、平衡機能検査として重心動揺検査、電気眼振図を用いた前庭眼反射、指標追跡検査、Optokinetic nystagmus、Optokinetic patternなどを行い、これら既存の評価に加え、睡眠医療チームが日常生活の「動と静」を検査するため、アクチメーター、睡眠日誌を用いた調査を行った。これにより、これまで報告例がない患者帰宅後の活動性を客観的に評価することができ、この評価が治療効果とどのように相関するかを追跡している。非治療群と治療群を比較すれば、エビデンスベースによる新たなる前庭リハビリ評価法の開発は完成となるが、現在進行中である。 同時に 現状のリハビリ治療は、医療施設内での主観的な効果判定を行っている。申請者らが開発した評価法により、患者の日常生活における「動と静」を可視化し、慢性めまいの重症度を解明し、根拠ある前庭リハビリ治療効果を判定している。 残った研究期間中にこれらのデータを統合し、目的目標に到達する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
おおむね予測通りに研究は進んでいる。一方、被検者のめまいが悪化し、追跡から脱落する場合などがみられ、苦悩している。これまで予定通り結果に導いたものについては、2018年度日本めまい平衡医学会総会で報告し、学術賞を頂いた。今後このまま研究を推進する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
症例の脱落は計画した当初よりも多いことに困惑している。そのため、さらなる症例のリクルートが必要であると考えている。現在、研究大学病院において、週に一度のめまい外来でリクルートしているが、今後全耳鼻咽喉科医局員の協力を得て、全日受診しためまい患者から症例を増やす予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
症例エントリーに遅れが生じているため、来年度も引き続き追跡を続ける必要があり、次年度に予定を繰り越した。
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