研究課題
増加する慢性めまいに対し前庭リハビリ治療の必要性はあるものの、エビデンスに基づく効果判定法がないことが問題視されていることに対し、3つのテーマを計画し、研究を行った。つまり、i)めまいと睡眠の関連性を解明、ii)前庭リハビリ教科書の作成による教育活動、iii)多角的観点を持ったチームによる先端的研究を実行、した。これらの過程で、前庭リハビリに対し確立した客観的評価法がない問題は、睡眠医療の導入により解決できると考えた。本研究では、I)睡眠医療を導入した新たなる前庭リハビリ評価法の開発、II)客観的重症度評価法から前庭リハビリ治療法の開発、III)前庭リハビリマニュアル作成と標準化、について実施した。研究はほぼ予定通り進行し、コロナのため国際学会への参加は困難でしたが、国際論文を3枚報告した。前庭リハビリの治療効果は前後で比較し有意差がみられ、前庭リハビリの基礎となる順応、慣れ、代用の3 要素を取り込んだプログラムを作成し、週に一度、40 分/回、3 か月間理学療法士がマンツーマンで指導し、帰宅後も自宅で1 回15 分ほど、朝と晩に2 回実施、さらに個人差問わず最低1 か月目は全員指導し、修得に時間がかかる場合、また、不都合が発生した場合は無理せずに次週行い、どのような場合でも3 か月目の最終週で指導を終了し、治療評価を行った。この方法の効果を確認できたため、リハビリマニュアルとして今後広めて行く予定である。