ラットを使用して経腟分娩モデル(一定時間の膣拡張処理)と閉経モデル(卵巣除去)を作製し、尿漏れ防止に重要な役割を果たす外尿道括約筋の組織特性の変化について、筋線維タイプ(速筋あるいは遅筋)に着目して解析した。その結果、膣拡張処理直後から速筋線維の中でもタイプ2B線維(最も収縮速度が速いが疲労しやすいという特徴を持つ)が特異的に損傷し、時間が経過しても萎縮・脱落したままで回復しないことが明らかになった。 このことは、経膣分娩によって外尿道括約筋の即時収縮能に影響が出る可能性を示唆する結果として注目された。一方、閉経モデルでは、筋タイプ構成に顕著な影響は認められなかった。
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