急性期心臓リハビリテーション確立に向けた心臓外科術後の中・長期予後関連要因の解明

2017 年度 実施状況報告書

• 研究課題/領域番号: 17K01544
• 研究機関: 兵庫医療大学
• 研究代表者: 森沢 知之 兵庫医療大学, リハビリテーション学部, 講師 (80552512)
• 研究分担者: 高橋 哲也 東京工科大学, 医療保健学部, 教授 (00461179)
• 研究期間 (年度): 2017-04-01 – 2020-03-31
• キーワード: 心臓リハビリテーション / 予後予測 / 多施設共同研究

研究実績の概要

本研究は多施設共同研究にて、心臓外科術後の中・長期予後に関わる要因を解明することを目的としている。その成果から予後改善を目的とした急性期心臓リハビリテーションプログラムの立案へと発展させ、臨床応用を目指す研究である。

【平成29年度の研究目的と研究実施計画】
平成29年度の主な目的は、対象者の入院期臨床データの収集および測定である。心臓外科術前から標準的な心臓リハビリ（日本循環器学会「心血管疾患におけるリハビリテーションに関するガイドライン」）を実施している全国7施設（心臓病センター榊原病院、関西電力病院、土谷総合病院、東宝塚さとう病院、福山循環器病院、豊見城中央病院、神戸市立医療センター中央市民病院）の協力のもと、対象者の入院期間中の患者要因・術前要因、手術関連要因、術後要因、退院時要因の入院期臨床データの収集および測定を行っている。現在、兵庫医療大学および各研究協力施設の倫理審査委員会の承認を得ており、平成30年6月末日まで対象者のリクルートを行う予定である。平成30年3月末の時点で約100名の対象者が本研究に登録されている。
本研究の主な内容は心臓外科手術後の中・長期予後に関わる要因を解明する事であり、退院後6ヶ月・12ヶ月・24ヶ月のタイミングで自宅に郵送法にて予後追跡調査を行う計画である。今年度に登録された対象者のうち約30名は退院後6ヶ月が経過しており、現在、郵送にて予後追跡調査を行っている最中である。対象者からのアンケート返却率は約8割であり、概ね、想定通りの返却率である。現在も引き続き対象者のリクルートおよび各種測定を行うとともに、退院後6ヶ月・12ヶ月を経過した対象者に退院後の追跡調査を行っている。

現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

平成29年度に計画していた内容に沿って、おおむね順調に進行している。

＜臨床データ＞当初、予定していた研究協力施設すべてから協力を得ることができなかったため（倫理審査委員会の非承認など）、当初の予定より対象者数がやや少ないが、研究協力施設の協力により、入院期臨床データおよび退院後の追跡調査のデータは順調に蓄積されている。
＜研究体制・研究物品＞研究協力施設とはインターネット会議や学会時のミーティングなどを定期的に繰り返しながら、十分にコミュニケーションがとれている。研究協力施設で測定する各種の測定機器も配備完了しており、研究体制と研究は予定通り構築されている。

今後の研究の推進方策

現時点で研究計画の変更はなく、平成29年度に引き続き、平成30年度は対象者のリクルートおよび退院後の追跡調査を実施する。
研究協力者とは引き続きインターネットや関連学会時にミーティングを行い、研究遂行に関する情報交換（進捗状況・問題点など）を密に行う。また研究分担者に研究進捗状況を報告するとともに、適宜、指導を受け、研究推進に努める。

次年度使用額が生じた理由

インターネット会議や関連学会時に研究協力者とミーティングができたことにより、旅費が抑えられた。平成30年度はミーティングや学会発表等の数も増えることが予測され、今年度より旅費の支出が増えると思われる。平成29年度は人件費を抑えることができたが、平成30年度は追跡調査など人件費がかかると思われる。