研究1と2によりパーキンソン病(PD)患者の歩行不安定性の関連要因や方向転換の異常に関連する要因についての新たな知見が得られ,これらは今後の歩行障害に対するリハビリテーションの発展に寄与するものである。研究3による知見は,PD患者のすくみ足と関連する重要な問題である歩行左右非対称性に対する新たなリハビリテーション介入の手段として分離トレッドミルを用いた歩行練習が有用であることを示唆するものである。研究4による成果は,長期間の理学療法が薬効状態が不良な時の運動症状を改善し,抗PD薬内服量を減少することに関するエビデンスを初めて示すものであり,PD患者や医療従事者にとって大変重要な情報を提供した。
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