エネルギーには「質の良いエネルギー」と「質の悪いエネルギー」がある.質の良いエネルギーとは,より多くの仕事ができるエネルギーである.つまり,小さな筋力で効率よく重心の移動が行えれば,質の良いエネルギーと言える.人は動作の特性に合わせ,筋力を発揮する際に隣接するセグメント間でエネルギーの移動を行い効率的な仕事をしている.そして,本研究結果から,効率の良いエネルギーの移動では,動作そのものが滑らかであることが示された.今後の理学療法においては,小さな力でも多くの仕事ができる質の高いエネルギーの獲得を目指した新たな視点での筋のトレーニング法の確立が求められる.
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