研究課題
平成29年度は2D/3Dregistrationを導入し,膝関節動態を把握することを重点的に行った.膝関節伸展運動時の回旋など膝関節内の細かい動きを詳細に解析することが可能となったが,解析に多大な時間を費やす事が問題であった.一方でわれわれが使用していた3次元全身筋骨格モデルはプログラムが複雑で解析時間と労力を非常に要するためプロットホームの変更を試みた.新たなプラットホームには世界的に高いシェアを誇るAnyBody modeling systemを使用することとした.2D/3D registrationの導入がスムースに進み,30年度に予定していた研究予定を前倒しすることができた.平成30年度は体幹筋および下肢筋のAnyBodyへの移植を完成させた.完成させたAkita modelは胸椎を分割し,スムースな脊柱可動性を有している.本全身筋骨格モデルは,筋走行をMRIから忠実に再現するためにwrapping法を取り入れ,脊柱のスムースな可動性を有する新たなモデルである.体幹運動を精密に再現でき,移植完成後の検証では高い精度を得ることができた.本年度は,今まで構築した2D/3Dregistration法を基盤として,歩行時の膝関節動態の把握を重点的に行った.対象を健常者と変形性膝関節症患者とし,安定した信頼性の高いデータを取得するためにトレッドミルを用いて歩行時の膝関節透視画像を撮像した.取得したデータから2D/3D registration法を用いて,変形性膝関節症者と健常者の歩行時膝関節動態を詳細に解析することができた.本結果はRehabWeek2019にて報告することができた.また,取得した歩行時の詳細な膝関節動態を3次元筋骨格モデルに適合させ,健常者と変形性膝関節症者の歩行時における筋張力を算出した.
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Journal of Biomechanical Science and Engineering
巻: 14 ページ: 18-30
doi.org/10.1299/jbse.18-00432