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2018 年度 実施状況報告書

嚥下音と深度画像を組み合わせた嚥下機能評価システムの構築

研究課題

研究課題/領域番号 17K01571
研究機関滋賀県立大学

研究代表者

宮城 茂幸  滋賀県立大学, 工学部, 准教授 (20273469)

研究分担者 小澤 惠子  滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (90747429)
研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード嚥下機能評価 / 嚥下後呼気音 / 頸部深度画像 / 嚥下動作検出
研究実績の概要

簡易的な嚥下評価システムを構築するために、嚥下音による特徴解析と深度画像による嚥下動作検出の2つの要素が必要であると考えており、それぞれの要素技術の開発を進めている。
まず、これまで入院している高齢者を対象とし、嚥下音を収集してきたが、これだけでは嚥下音の特徴が明確にわからないため、健常な高齢健常者の嚥下音を収集し、特に嚥下後呼気音を中心にその違いを調べた。呼気音をフーリエ変換し、周波数領域における最大振幅、ピーク周波数、周波数平均、分散、エネルギーの5つの特徴量を用い、高齢健常者と高齢嚥下困難者、若年健常者との間で検定を行った。その結果、高齢健常者の特徴は若年健常者より高齢嚥下困難者に近いことがわかった。このことは嚥下後呼気音に高齢者特有の特徴があると考えられる。
次に、深度画像を用いた嚥下動作検出について、若年健常者から嚥下時の頸部深度動画像を取得し、そのフレーム間変化から嚥下動作検出をするためのアルゴリズムを開発した。正面からの頸部深度画像において計測領域を手動で指定し、その計測領域内のフレーム間深度変化を時系列で表示すると嚥下に伴う変化が発生する。その変化をとらえることにより嚥下動作検出が可能となる。これは研究計画における「頸部深度画像の変位解析」に対応しており、想定通りの結果が得られたことを意味する。同時に取得したVE検査画像と比較し、嚥下区間の検出が行えていることを確認し、適合率90%以上を達成できた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

頸部深度画像の解析については予定通り進めることができ、一定の条件は必要であるが実用化への可能性が十分あることが確認できた。頸部深度画像の解析を重点的に行ったため、一方嚥下音の解析では、呼気音以外の嚥下音の解析が十分できておらず、特に臨床医による各種の嚥下評価指標と、嚥下音の特徴量との相関関係の確認ができなかった。

今後の研究の推進方策

頸部深度画像による嚥下区間の検出については概ね当初予定した精度は確保できているので、
実用化のために準リアルタイム処理化が可能かどうかを検討する。
嚥下音解析については、臨床医による各種の嚥下評価指標と嚥下音の関係をニューラルネットワークにより学習し、嚥下障害の程度に応じた分類が可能であるかどうかを調べる。

次年度使用額が生じた理由

次年度使用額は1,347と少額であり消耗品またはその他の項目の中で使用する。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] 簡易型嚥下評価システムの構築に向けて ---嚥下音と頸部深度画像を併用した嚥下評価手法の開発---2019

    • 著者名/発表者名
      宮城茂幸、小澤恵子、森谷季吉、坂本眞一、酒井道
    • 雑誌名

      月刊地域ケアリング

      巻: 21 ページ: 75-79

    • 査読あり
  • [雑誌論文] 簡易型嚥下評価システムの構築に向けて ---嚥下音と頸部深度画像を併用した嚥下評価手法の開発---2018

    • 著者名/発表者名
      宮城茂幸、小澤恵子、森谷季吉、坂本眞一、酒井道
    • 雑誌名

      月刊地域ケアリング

      巻: 20 ページ: 73-77

    • 査読あり
  • [学会発表] RGB-Dカメラにより取得されたマーカ座標間の相対位置変化を用いた健常者の嚥下検出2018

    • 著者名/発表者名
      吉田 淳, 朝本 崇康, 小澤 恵子, 森谷 季吉, 坂本 眞一, 酒井 道, 宮城 茂幸
    • 学会等名
      情報処理学会研究報告
  • [学会発表] 頸部聴診音による嚥下評価指標の検討~健常高齢者との比較~2018

    • 著者名/発表者名
      橋本瀬菜、向樹里子、小澤恵子、宮城茂幸、森谷季吉
    • 学会等名
      第3回滋賀県多職種連携学会研究大会
  • [学会発表] 深度画像の隣接フレーム間差分による嚥下時刻推定2018

    • 著者名/発表者名
      吉田淳, 小澤恵子, 森谷季吉, 坂本眞一, 酒井道, 宮城茂幸
    • 学会等名
      ViEW2018 ビジョン技術の実利用ワークショップ2018

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公開日: 2019-12-27  

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