研究課題/領域番号 |
17K01592
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研究機関 | 帝京科学大学 |
研究代表者 |
竹嶋 理恵 帝京科学大学, 医療科学部, 准教授 (80534130)
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研究分担者 |
澤田 有希 帝京科学大学, 医療科学部, 助教 (40747995)
硯川 潤 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (50571577)
近藤 知子 杏林大学, 保健学部, 教授 (90274084)
門馬 博 杏林大学, 保健学部, 講師 (60583680)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 福祉用具 / 支援技術 / ハンドル形電動車椅子 / 高齢者 / 移動 / 評価ツール / 走行操作ログ |
研究実績の概要 |
本研究は,高齢者を中心に利用者が増加しているハンドル形電動車椅子の安全な利用を促進するための操作技能評価ツールを開発することを目的としている. 平成29年度は,評価ツール開発に向けた文献研究を行い,関連領域の過去の研究の動向が明らかになり,ハンドル形電動車椅子の評価ツール開発に際し,高齢者自動車運転に関する研究を参考にすることができることが分かった.また,走行・操作動態を計測・記録するための走行操作ログシステムについて,最小限のセンサ構成で精度よくハンドル・アクセル操作角度を推定するための 基本システムを構築した. 平成30年度は,70歳以上の高齢者を対象にハンドル形電動車椅子の試用体験を実施し,前年度に構築した走行操作ログシステムと観察による操作能力チェックシートを合わせた操作技能評価ツールを用いて,試用体験時の走行・操作の状態を評価し,さらにビデオ解析を行って評価ツールの適用可能性について検討した。試用体験後にはインタビューを実施し,高齢者の視点を明らかにした. これらの調査結果から,地域で自立生活を送る高齢者であってもハンドル形電動車椅子の操作に難しさがあること,操作技能について可能かどうかの自覚を促すには練習が不可欠であること,評価ツールが「自覚に乏しい操作技能」について客観的な指標をもたらすこと,シニアカーを使わない周囲の人々も含めてシニアカーの認知度を上げる必要があることが明らかになり,この研究成果を学会で報告した.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度は高齢者を対象にハンドル形電動車椅子の試用体験を実施し,前年度に構築した走行操作ログシステムと観察による操作能力チェックシートを合わせた操作技能評価ツールを用いて,試用体験時の走行・操作の状態を評価し,さらにビデオ解析を行って評価ツールの適用可能性について検討した。 また,試用体験後にはインタビューを実施し,高齢者の視点を明らかにした. これらの調査結果から,地域で自立生活を送る高齢者であってもハンドル形電動車椅子の操作に難しさがあること,評価ツールが「自覚に乏しい操作技能」について客観的な指標をもたらすことが明らかになり,この研究成果を学会で報告した.
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では平成31年度(令和元年度)はハンドル形ユーザ及び支援に関わる専門職のインタビューにより評価項目の抽出を行う予定であった.しかし,高齢者を対象にした調査で,地域で自立生活を送る高齢者であってもハンドル形電動車椅子の操作に難しさがあることが明らかになったため,さらに対象を広げて70歳未満の健常者を対象とした調査を実施し,評価ツールの適用可能性を検討する必要性が認識された. そこで,平成31年度(令和元年度)は健常者を対象とした試用体験を実施し,操作技能評価ツールを用いて試用体験時の走行・操作の状態を評価し,さらに評価ツールの適用可能性について検証する。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由)試用体験に使用するハンドル形電動車椅子について、当初は2台購入する予定で予算を計上していたが、レンタルしたものを使用したことで当初予算より物品費が少なかった。
(使用計画)次年度、70歳未満の健常者を対象としたハンドル形電動車椅子の試用体験を実施するため、今年度の未使用額をこの調査のための経費に充てる。
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