研究課題/領域番号 |
17K01600
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研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 准教授 (60747632)
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研究分担者 |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 下肢筋 / 電気刺激強度 / 刺激肢位 / BCAA |
研究実績の概要 |
2018年度は足部背屈用の下肢固定用装具を作成し、装具による下肢固定群と下肢非固定群で背臥位姿勢での電気刺激最高出力を比較したところ、有意差を認めなかった。そのため、2017年度で得られた研究結果を踏まえ、tilt tableの傾斜角を0度、30度、80度の3肢位に加え、立位姿勢を含めた4肢位で下肢筋に加える電気刺激出力の差違および最大酸素摂取量等から運動効果が高い肢位を検討した。対象は健常者成人10名とした。電気刺激装置はホーマーイオン社製G-TESを使用し、周波数は20Hzとした。4肢位をランダムで実施した。結果、大腿部の電気刺激出力では傾斜角0度と80度、立位で有意な増加を認めた。80度と立位では有意差を認めなかった。傾斜角0度と比較し、80度では36.1%、立位では41.5%の増加であった。下腿部の電気刺激出力では大腿部と同様に傾斜角0度と80度、立位で有意な増加を認めた。80度と立位では有意差を認めなかった。傾斜角0度と比較し、80度では71.9%、立位では70.6%の増加であった。酸素摂取量では傾斜度0度と80度、立位の間で有意な増加を認めた。0度と30度、80度と立位では有差を認めなかった。これらのことから、電気刺激での刺激肢位では傾斜度80度または立位姿勢が電気刺激出力を高く設定でき、酸素消費量も高いことが明らかとなった。つまり、立位保持できない方にはtilt tableを用いて傾斜度を高くすること、立位保持できる方には立位姿勢で刺激することが効果的と考えられた。 加えて、電気刺激におけるエネルギー代謝にBCAA摂取がエネルギー代謝に及ぼす影響を検証した。結果、BCAAの摂取 は通常の運動時と同様に,電気刺激時においてもエネルギーの供給源となり,蛋白分解を抑制し,蛋白合成を促進することや遅発性筋痛の抑制等の効果を示す可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
電気刺激における最適な肢位の決定を2017年度で検証を終える予定であったが、下肢装具の作成の試行錯誤で遅延していた。2018年度で最適な刺激肢位が決定した。また、2018年度では2019年度からの電気刺激における介入研究で使用するBCAA服用の基礎的データを解析した。
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今後の研究の推進方策 |
本来は介入試験を2018年度から開始し、3年間で検証する予定であったが、有効な肢位の検証が遅延したことから、介入試験を2019年度から2020年度末までの2年間で検証を終える予定である。 2019年度は在宅療養中の高齢者であり、介護保険下の通所サービスを利用中である方で通常のリハビリ群(Con群)と通常のリハビリにEMSトレーニングを併用した群(EMS群)、通常のリハビリにEMSトレーニングを併用し、栄養補助を実施する群(EMS+NS)の3群に分け、無作為下比較対照試験の実施を進めている。
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次年度使用額が生じた理由 |
刺激肢位を決定する際に使用する物品費で残金が生じた。次年度の導入予定のBCAA補充の購入費等に当てる予定である。
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