研究課題/領域番号 |
17K01600
|
研究機関 | 徳島文理大学 |
研究代表者 |
柳澤 幸夫 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (60747632)
|
研究分担者 |
松尾 善美 武庫川女子大学, 健康・スポーツ科学部, 教授 (90411884)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2023-03-31
|
キーワード | 高齢者 / 下肢筋 / 電気刺激 |
研究実績の概要 |
対象は在宅療養高齢者とし、通所サービス事業所にて理学療法士によるリハビリテーションを実施しながら電気刺激を併用する群(電気刺激群)8名と従来のリハビリテーションのみを継続する群(対照群)8名との2群とした。電気刺激は3カ月間とし、週2回実施した。電気刺激の強度は本人が耐えられるレベルでの強度とし、刺激肢位は80度に設定した傾斜台を使用した。電気刺激機器はホーマー社製G-TESを使用し、腰部、大腿部、足部でベルト式電極を用いた。 測定項目は体組成計によりBMI、除脂肪量、体脂肪量、体脂肪率、両下肢筋肉量、SMIを算出し、HDDにて下肢伸展筋力、超音波画像診断装置にて大腿部の大腿直筋と中間広筋の画像を取得し、Image Jにて筋厚、筋輝度を算出した。動作能力としてSS5を使用した。統計解析は体組成およびその他の測定項目について時期と電気刺激有無の群を2要因として、分割プロット分散分析を実施した。有意差判定の基準は5%未満とした。 結果、電気刺激群では2名と対照群は1名が新型コロナウイルスの影響にて除外対象となり、電気刺激群6名と対照群7名で解析を実施した。BMI、除脂肪量、体脂肪量、体脂肪率、両下肢筋肉量、SMIは有意な主効果および交互作用は認めなかった。下肢伸展筋力、SS5、大腿直筋と中間広筋の筋厚、筋輝度では有意な主効果および交互作用を認めた。対照群は3カ月後の評価において機能維持は認めるものの、電気刺激群は従来のリハビリテーション効果に加え、下肢筋力や大腿部の筋厚や筋輝度の改善により、立ち上がり動作能力が向上し、電気刺激の併用効果が認められた。本研究の課題として、被験者数が少数であることや体組成による影響が認められないことから、電気刺激での効果をより引き出すために栄養サポートによる影響を2022年度に検証する予定である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
電気刺激における最適な肢位の決定を2017年度で検証を終える予定であったが、下肢装具作成の試行錯誤で遅延した。2018年度で最適な刺激体位が決定し、2019年度では足関節角度における刺激強度への影響を明らかにできたことから、身体の体位に加えて足関節角度の最適な刺激肢位を決定できた。2020年度に実施予定であった在宅高齢者への介入研究は、新型コロナウイルスの影響にて実験を中断していたが、2021年度内に再開することができ、現在進行中である。2022年度には2021年度に実施した実験に栄養サポートを併用する群を加えて検証を行う。
|
今後の研究の推進方策 |
在宅高齢者への介入研究を2021年に再開し、新型コロナウイルス対策を講じながら、実施中である。2022年度内で検証を終える予定である。
|
次年度使用額が生じた理由 |
新型コロナウイルスの影響にて途中、実験が中断したことや2022年度に栄養サポート材料の使用のため、次年度使用額が生じた。
|