研究課題/領域番号 |
17K01609
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研究機関 | 国立研究開発法人産業技術総合研究所 |
研究代表者 |
伊藤 納奈 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 研究グループ長 (80392588)
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研究分担者 |
渡邊 洋 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 情報・人間工学領域, 主任研究員 (20358386)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ダイナミックサイン / ロービジョン / 視認性 / サイン / 速さ / コントラスト |
研究実績の概要 |
ロービジョン者を対象に、プロジェクターで提示された動きや時間的な変化のある案内表示(“ダイナミック・サイン(動的なサイン)”)の視認性について、以下の観点で実験を行った。 実験1:ダイナミックサインを静止して見た時の「見やすさ」その他の印象に対し、サインの速度とコントラストの影響 実験2:ダイナミックサインを歩きながら見た時の「見やすさ」その他の印象に対し、サインの速度とコントラストの影響 実験1では20名のロービジョン被験者を対象に実験を行った。平均値で比較すると、速度については遅いほど「見やすい」または「非常に見やすい」評価となり、1m/secを超える速さとなると「見えにくい」評価になることがわかった。実験2では、5名のロービジョン被験者を対象に、10.3mの距離を歩行中に、実験1で用いたサインを通路内の床に繰り返し提示した。歩行後に提示されたサインの評価を行った。静止して見る場合と同様、サインの速度は1m/secを超える速さとなると「見えにくい」評価になった。晴眼者では、コントラストが十分であれば1m/secを越えても見やすさはさほど低下しない。また非常に遅い場合(例えば0.27m/secなど)、それ以上の場合に比べ「見やすさ」の評価が低下する場合が見らえるのに対し、ロービジョンは遅いほど高評価となった。これにより速度の速さが大きく影響するのはロービジョンならではの特性であることが示唆された。またロービジョンがダイナミックサインとして「見やすい」と感じるコントラストの範囲も明らかとなった。
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