研究課題
本研究の目的は、CKDのどのステージが要介護認定の発症と独立して関連しているか、また、CKDと身体活動の質的観点からその関連性を明らかにし、最終的にはどの身体活動パターンがCKDによる要介護認定発症の予防へ繋がるかを明らかにすることを目的としている。2017年度の研究課題として、当研究部が2013年度実施した健康チェックの参加者5257名を対象に4年後の要介護認定情報や4年間の身体活動の縦断データベースの構築を行うこととしている。本課題を実施するために身体活動を時系列にまとめるプログラムの開発を行った。このプログラムを用いることで日中身体活動の強度および時間別の縦断データベースの構築ができた。また、行政との協力により過去4年間の要介護認定情報を受け取ることができ本研究課題の達成のためのデータベースの構築ができた。2018年度はこのデータベースを利用してCKDと要介護認定発症との関連について4年間の縦断的解析を行う予定である。本研究課題の予備解析として、CKDは主観的身体活動(アンケート調査により)が低下することで要介護認定発生の危険性が高まることを公表した。特に座位での生活時間が長いほどCKDの要介護認定発生に及ぼす影響は強くみられた。また、一度悪化した腎機能は元に戻らないため予防が重要であるといわれているがそのエビデンスは十分ではない。そのため4年間の縦断的解析により約28%のCKDが正常に戻っていることを明らかにして公表している。
1: 当初の計画以上に進展している
2017年度の研究課題は、当研究部が2013年度実施した健康チェックの参加者5257名を対象に4年後の要介護認定情報や4年間の身体活動の縦断データベースの構築を行うこととしている。データベースの構築のための新たなプログラムの開発によって大規模の身体活動データの取りまとめが早期に終了した。また、行政の積極的な協力によって要介護認定情報の受け取りが順調に進められてきたことも本課題の達成に大いに貢献していると思われる。
2018年度は、CKDと要介護認定発症との関連について4年間の縦断的解析を行いその結果を公表する予定である。すでにデータベースの構築が終了しており達成可能性は極めて高い。また、5年間の縦断データの蓄積を予定しているが現在も活動量の取り込みや要介護認定情報の受け取りが進んでいることから計画通り行うことができると期待している。2019年度は、計6年間の追跡データベースの構築を行いCKDにおいてどのレベルの身体活動量が要介護認定発症と関連しているか、また、どの身体活動パターンが要介護認定の発症の予防に繋がるかについて検討を行う予定である。
データベースの取りまとめプログラムの開発により人件費の支出がなかったため予定より繰越金額が多めになっている。
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Geriatr Gerontol Int
巻: 18 ページ: 286-292
doi: 10.1111/ggi.13180. Epub 2017 Oct 20.
巻: 17 ページ: 1527-1533
doi.org/10.1111/ggi.12910