研究課題/領域番号 |
17K01622
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研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
曽我部 晋哉 甲南大学, スポーツ・健康科学教育研究センター, 教授 (90388760)
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研究分担者 |
柴田 真志 兵庫県立大学, 看護学部, 教授 (00254467)
小田 俊明 兵庫教育大学, 学校教育研究科, 准教授 (10435638)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 膝アライメント / 成長期 / BMI |
研究実績の概要 |
本研究は,高齢者が要支援になる原因の第一であり、さらに生活の質(QOL: Quality of Life)を著しく低下させている関節疾患の一つである変形性膝関節症のリスクである内反膝(O脚)の原因を明らかにし、成長段階から内反膝を予防するための方法を開発するものである。これまで我々は、成人の膝アライメントを測定した結果、BMIが高い者は外反膝傾向が強いことを報告した。 平成30年度は、膝アライメントが決定する中学生期において、BMIと膝アライメントとの関係性を明らかにすることで、将来の膝マルアライメントを予防するための要因を明らかにすることを目的とした。【方法】国立大学附属中学校に在籍する中学生284名(3年生86名:男48/女38,2年生99名:男55名/女44名,1年生99名:男51名/女48名)を対象とした。各被験者の身長及び体重からBMIを算出し、さらにプラットフォーム上に静止立位させ,膝関節内顆間距離,足関節内果間距離をノギスを用いて測定し膝アライメントを測定した。そして、各被験者のBMIをもとに標準型(18.5-25.0)、痩せ型(18.5未満)、肥満型(25.0以上)に分類し、正常膝、内反膝、外反膝の分布を比較した。【結果】痩せ型の内反膝の割合に2年生(21.1%)と3年生(62.5%)の間に有意差がみられた。また、肥満型の外反膝の割合に2年生(42.9%)、3年生(85.7%)と有意差がみられた。【結論】膝アライメントの決定時期である14歳周辺である中学2年生から3年生のBMI が、膝アライメントの形成に影響する可能性が示唆された。今後、更に縦断的な研究を実施することで、膝マルアライメント予防指針を作成していきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度の研究については予定通り進行している。附属小学校、附属中学校における全児童・生徒の調査については、既に前年度より年間の学校行事の中に組み込 まれており、問題なくデータの収集にあたっている。また、それぞれの分析項目についても、横断的ならびに縦断的な両側面から分析できるデータ数が蓄積できており、最終年度に向けて詳細に分析を進めていきたい。
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今後の研究の推進方策 |
令和元年度は、本研究の最終年度となるので、これまで蓄積してきたデータを縦断的に分析していく。また、これまで撮影してきた膝アライメントの変化についても詳細に分析し、生活習慣、運動習慣、PHV年齢との相関についても明らかにしていく。そのことによって、膝マルアライメント予防指針を作成していきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究分担者の所属でのデータ入力等アルバイトの謝金として計上していたが、今年度は研究代表者のアルバイトのみで賄えることができた。次年度は分担者の所属におけるデータ入力アルバイトの謝金は必要かと思われる。
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