研究課題/領域番号 |
17K01636
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研究機関 | 岡山大学 |
研究代表者 |
畑 孝幸 岡山大学, 教育学研究科, 教授 (00156332)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 身体教育学 / 哲学的人間学 / 身体性哲学 / 人間の生の経験 / 人間形成 |
研究実績の概要 |
本研究は、児童・生徒が抱える「心と体」の問題の解決に向けて、運動実践やスポーツ実践における人間の生の経験が、われわれの人間的な存在への問いと不可分であるという認識に立ち、運動やスポーツを教材とする体育に何ができるのか、その人間形成の可能性について検討するものである。それは、われわれが運動実践やスポーツ実践において「他者との交流」や「コミュニケーション」から得ることのできる多様な生の経験を、体育という人間形成の営みに取り込むことによって行われ、児童・生徒が直面する「心と体」の問題を解決する方策を提示することができる新たな体育論の構築を目指すものである。 (1) 平成30年度前半は「他者との交流を必然とするスポーツ実践における人間の生の経験とは何か」についての考察を中心に進めた。そのために国内外のスポーツ哲学関係図書等の資料を入手した。この時期の研究成果は8月13日から20日に北京大学(中華人民共和国・北京)で開催された第24回世界哲学会での研究発表、並びに9月5日から8日にノルウェーで行われた第46回国際スポーツ哲学会での研究発表に反映された。 (2) 平成30年度後半は「『生きる力』を育む体育における、運動やスポーツによる人間形成の可能性」について明らかにしようと試みた。特に運動やスポーツにおける人間の生の経験が、体育においてどのような意義を持ち得るのかということについて一定の知見を得ることができた。これについては、前年度同様、研究協力者(海外共同研究者)のレビューを受け、他者との交流を必然とする運動やスポーツにおける人間の生の経験が、われわれの人間的な存在への問いと不可分であるという確信を深めた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでのところ順調に進んでいるが、年度後半に予定していた学会発表、論文による成果発表は計画通りに進まなかったため、「やや遅れている」と言わざるを得ない。今後の課題である。
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今後の研究の推進方策 |
当初の計画通りに進めるが、平成30年度に実現できなかった論文執筆に力を注ぐとともに、当初の計画のペースを上げ、年度の半ばに「『心や体』の問題に直面する児童・生徒に対して体育に何ができるのかということについての考察につなげる。年度の後半には、本研究の最終的なまとめに着手し、報告書の執筆に取りかかる。研究成果は、研究協力者(海外共同研究者)や連携研究者にレビューを受け、積極的に公表するように努める。
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