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2018 年度 実施状況報告書

自然体験活動における事故や傷病、ヒヤリハットの発生要因と安全対策に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 17K01639
研究機関北翔大学

研究代表者

青木 康太朗  北翔大学, 生涯スポーツ学部, 准教授 (60593457)

研究期間 (年度) 2017-04-01 – 2020-03-31
キーワード傷病 / 事故 / 自然体験活動 / 青少年教育施設
研究実績の概要

今年度は、自然体験活動の事故や傷病に係る国内外の先行研究や調査、文献等をレビューするとともに、昨年度に実施した試行調査の結果等を踏まえ、本調査を実施した。
本調査は、全国の国立青少年教育施設を対象に、平成30年4月~平成31年3月の1年間実施した。調査対象とした傷病の条件は、研修期間中に発生した傷病もしくは活動等によって既往症が悪化した傷病のうち、保健室や事務室で対応した傷病、病院を受診した傷病、活動現場等で施設職員が手当てした傷病のいずれかの状況に該当した傷病とした。調査内容は、傷病者の情報、傷病が発生した状況、病気又はけがの症状や程度、傷病の要因とした。また、傷病調査とは別に、自施設で初めて起きた事例や対応・改善に苦労した事例、安全対策のおかげで最小限の被害で済んだ事例など、安全対策の参考になるような事例についても調査を行った。
平成30年9月末までの上半期のデータを集計したところ、発生した傷病の件数は2,707件(けが:899件、病気:1,806件、不明2件)であった。けがの症状をみると、「虫刺され」(18.8%)の割合が最も高く、次いで「打撲」(16.9%)、「ねんざ」(12.7%)であった。そこで、症状ごとにけがをした部位をみたところ、虫刺されでは「下腿」(21.7%)、打撲では「頭」(28.4%)、ねんざでは「足首」(74.8%)がそれぞれ高い割合を占めていることが分かった。次に、けがの症状ごとに発生要因をみたところ、虫刺されでは環境の「虫・動物」(80.5%)、打撲、ねんざではともに本人の「不注意」(打撲49.6%、ねんざ63.0%)が高い割合を占めていることが分かった。
今後は、1年間のデータを集計し、活動別の傷病の発生状況やその要因について分析を行うとともに、収集した事故事例から活動場面に応じた具体的な危険予知や回避の方法について検証する予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

今年度は、全国の国立青少年教育施設(27施設)を対象に年間を通じて傷病調査と事例調査を実施した。当初の計画では、施設が実施する事業や研修に来ている団体を抽出して調査する予定だったが、今年度は、全施設のすべての事業と団体を対象にした大規模な調査だけでなく、安全対策の参考になるような事故事例についても収集できたことから、計画よりも充実した調査を実施することができた。ただ、調査規模が拡大したことにより、予定していたヒヤリハットの調査は中止となった。
一部の調査は実施できなかったものの、今年度は計画を超える調査を実施できたことから、おおむね順調に研究を進めることができたと考えている。

今後の研究の推進方策

平成31年度は、引き続き全国の国立青少年教育施設(27施設)を対象に自然体験活動の傷病や事故事例に関する調査を実施(平成31年4月~令和2年3月末)するとともに、今年度実施できなかったヒヤリハットの調査を実施する予定である。
また、平成30年度に実施した調査結果を基に、自然体験活動の傷病や事故のリスク評価分析や事故発生の要因分析を行い、事故や傷病が起きる原因やメカニズムを検証し、自然体験活動の安全対策や安全教育における基本的な指針の策定や新たなトレーニング教材開発の足がかりとする。

次年度使用額が生じた理由

(理由)
予定していたヒヤリハットの調査が実施できなかったため。
(使用計画)
ヒヤリハットの調査の実施や調査結果の分析に係る費用として支出予定

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2019 2018

すべて 雑誌論文 (1件) 学会発表 (1件)

  • [雑誌論文] 青少年教育施設で発生した冬期の傷病に関する調査報告2019

    • 著者名/発表者名
      青木康太朗
    • 雑誌名

      キャンプ研究

      巻: 22 ページ: 51-58

  • [学会発表] 青少年教育施設における冬期の傷病の発生状況とその要因について2018

    • 著者名/発表者名
      青木康太朗、長谷川裕太
    • 学会等名
      日本野外教育学会第21回大会

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公開日: 2019-12-27  

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