研究課題/領域番号 |
17K01641
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
身体教育学
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
森田 寿郎 慶應義塾大学, 理工学部(矢上), 准教授 (30329081)
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研究分担者 |
森田 ゆい 東京立正短期大学, 現代コミュニケーション学科, 講師 (10365455)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 技 / 伝統芸能 / 動作分析 / ロボティクス / 芯と軸 / 型の身体 |
研究成果の概要 |
伝統芸能5ジャンル7種類のトップレベルの実演家14名を対象にして、熟達者へのヒアリング、身体の注目部位に関する視線測定、連続体モデルによる技の再現を実施した。その結果、対象とした芸能に共通して「身体の芯や軸」によって「余分な力を抜く」ことが重視されており、特に歌舞伎舞踊では「型の身体」と呼ばれる規範的な身体の状態に近づくための身体づかいとして「芯と軸」が利用されていることを明らかにした。この内容は学術論文として掲載が決定した。また、実演家の技と伝承者の言葉を記録して映像作品として一般公開するとともに、技と言葉の映像、聞き取りおよび実証的な調査結果を含めて書籍(DVD付き)にまとめて出版した。
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自由記述の分野 |
ロボット工学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、「芯と軸」を意識した身体づかいによって「型の身体」の状態を作るといった伝統芸能における身体の設計手法は、既往の機械設計のような自由度の積み上げ式の手法とは正反対の、いわば引き算式の手法を取っていることを論文として示せたことにある。社会的意義は、実演家たちの有する内省的な理解を筋骨格モデルよりも感覚に近い連続体モデルとして表現できたことにある。これによって実演家が自身の身体内部で作られている状態をより理解・意識しやすくなり、その深めた理解を詳細に伝承する際の一助を担えた。さらに映像作品や書籍として、研究内容を社会に広く還元するという価値を生じることにも成功したと考えている。
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