研究課題/領域番号 |
17K01646
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研究機関 | 東京未来大学 |
研究代表者 |
鈴木 公啓 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (60569903)
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研究分担者 |
川田 裕次郎 順天堂大学, スポーツ健康科学研究科, 助教 (40623921)
真家 英俊 東京未来大学, こども心理学部, 准教授 (70759224)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 頭部角度 / 焦点距離 / 姿勢 / 感情 / 情動 |
研究実績の概要 |
本年度は,前年度に引き続き,申請しているテーマに関する研究を実施した。前年度の知見を踏まえたうえで,発展的に展開をおこなった。 従来の頭部の上下の傾きや体幹の傾きを条件とした実験においては,視界における直近の遮蔽物までの距離(焦点距離)は考慮されておらず,頭部の上下の角度と,遮蔽物までの距離が実験条件において交洛してしまっている可能性が考えられた。したがって,これまで得られた結果は,頭部の上下の傾きではなく,視界における直近の遮蔽物までの焦点距離が生じさせたものである可能性が考えられた。 そこで,本年度は,遮蔽物までの距離および頭部の上下の傾きの両方をコントロールしたうえで,それらが心理・生理状態に及ぼす影響を明らかにすることを目的とし,実験を実施した。20人(男性6名,女性14名,平均年齢19.85歳,SD=1.04)が実験に参加した。遮蔽物までの距離を長くした条件,短くした条件,また,頭部を前傾させ下向きにした条件と頭部を後傾させ上向きにした条件を設定して,生理指標として唾液アミラーゼを測定し,また,心理指標としていくつかの質問項目への回答を求めた。 分析の結果,遮蔽物までの距離は心理状態へと影響を及ぼしていることが確認された。頭部の上下の傾きの影響は,ごく一部を除いて心理・生理状態へと影響を及ぼしていないことが示された。従来示されていた頭の傾きの影響は,遮蔽物までの距離の影響が交洛したものであった可能性が推察された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
計画通りに進んでいるのみならず,当初想定できていなかった知見も得ることができているため。
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今後の研究の推進方策 |
前年度,そしてそのさらに前年度は,立位または座位といった静止状態による検討であったが,最終年度は,当初の計画通り歩行中の状態について検討をおこなう。焦点距離をコントロールしたうえで,それが心理・生理状態に及ぼす影響について検討する。すでに準備は進み,近々予備実験に入る予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
ある程度高額な備品を購入予定であったが,納入時期および書類の処理の関係で年度をまたぐ可能性があったため,翌年度の購入および経理処理をおこなうことにしたため。 翌年度になったら速やかに購入し,実験の準備を進める予定である。
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